2017年02月22日

ウトナイ湖野生鳥獣保護センター 救護室からのメッセージ この季節に観察しやすい「ウソ」 懸命に生きる姿に魅了【苫小牧民報2017年2月22日】

先日、保護センターに搬入されたウソ
 野生動物救護の仕事柄、野鳥と関わることが多いため、「どんな鳥が好きですか」と聞かれることがよくあります。確かに毎日のように多くの野鳥と向き合う現場ではありますが、あくまでも「患者さん」として野鳥を見ているため、普段はどの鳥が好きかどうかはあまり意識していません。ですが、強いて言うならば、私は小さな鳥が好きです。

 子どものころからセキセイインコやジュウシマツなどの小鳥を飼っていたことも関係しているのかもしれません。野鳥では、ちょうどこの季節に観察しやすい鳥の一つ、ウソ(スズメ目アトリ科)が好きです。本種は、繁殖期に比較的標高の高い林で生息していますが、冬季は低山や平地へ移動するため、市街地近郊の森林や林の多い公園でも見られるようになります。全長16センチ、まるっとした体形につぶらな瞳。雄の成鳥は喉から頬にかけてピンク色をしており、葉が散った落葉樹の木の枝に色を添えてくれます。そして近くにいながらも遠くで聞こえるかのような控えめで口笛に似た鳴き声。バードウオッチングを始めた頃から野外で出合うとなんだかうれしくなる鳥でした。

 冬季に私たちの身近に現れる種なので、傷病鳥として運び込まれるのもやはり冬。つい先日も、市内のある住宅の玄関フードに衝突し、飛べずにいたところを保護されました。一過性の脳振とうを起こしていましたが、保温・安静を施すと徐々に活発さを取り戻し、翌日には雪がちらつく寒空の下、力強く羽ばたきながら自然界へと帰っていきました。

 小さな体が故に、寒さや天敵から身を守るだけでも過酷なこの季節―。それでも雪の中を必死に餌を求め日々を懸命に生きる小鳥たちの姿は、小さくもたくましく美しく、いつも魅了されてしまいます。大地が芽吹く季節まであともうひと踏ん張り。どうかどうか、無事に春を迎えられますように。

(ウトナイ湖野生鳥獣保護センター・山田智子獣医師)
http://www.tomamin.co.jp/feature/view?id=47936

http://archive.is/QbUUz

posted by BNJ at 22:12 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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