2017年03月23日

恐竜の進化史書き換えか 「革命的」新系統樹、英チームが発表【AFPBB News2017年3月23日】(他1ソース)

ティラノサウルス類の骨格標本を見る人。モンゴルの首都ウランバートルの博物館で(2016年7月2日撮影、資料写真)

【3月23日 AFP】恐竜は130年もの間、その複雑な系統樹の最初の分岐点として「鳥盤類」と「竜盤類」の2大グループに分類されてきた。だが、教科書や古生物学界で疑いようのない事実として説明されてきたこの系統樹を覆す可能性のある「革命的」論文が22日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 論文の共著者、英ロンドン(London)自然史博物館(Natural History Museum)のポール・バレット(Paul Barrett)氏は「われわれの研究は130年にわたる定説を覆すものだ」と語った。

 研究チームが原始的な恐竜の特徴を詳細に分析した結果、竜盤類に分類されるティラノサウルス・レックス(T・レックス)と、鳥盤類に属するステゴサウルスが、実際には近縁関係にあったことが示されたという。

 論文では、新たな恐竜の進化系統樹として、鳥盤類と竜盤類が混ざり合う新たな2つの基本グループを提唱。さらに、恐竜誕生の時期はこれまで考えられていたよりも約1000万年古い約2億4700万年前で、場所は南半球ではなく北半球だったとも論じている。

 定説では、恐竜の進化史は骨盤の形によって説明できるとされ、爬虫(はちゅう)類と似た骨盤を持つ種は竜盤類に、鳥と似た骨盤を持つ種は鳥盤類に分類されてきた。竜盤類には、二足歩行をするT・レックスやベロキラプトルなどの獣脚竜と呼ばれる肉食恐竜や、長い首を持つブロントサウルスなどの竜脚類が含まれる。一方の鳥盤類には、3本の角を持つトリケラトプスや背中に骨板をつけたステゴサウルスが含まれる。

 新たな分類方法は従来とは大きく異なり、鳥盤類は2大分類の片方を構成するのではなく、竜盤類から外された獣脚竜と合わせて「オルニソスケリダ(Ornithoscelida、鳥後脚類)」と呼ばれる全く新しい分類の下に置かれている。

 論文の主著者、英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のマシュー・バロン(Matthew Baron)氏はAFPの取材に対し、竜盤類からは獣脚竜を除外したものの、2大分類の一つとしては残したと説明している。

 新しいオルニソスケリダの分類に入る恐竜には、後ろ脚と頭蓋骨の特徴に共通点がみられるという。新分類では、現生鳥類の祖先である獣脚類が初めて鳥盤類と同じグループに分類される。

 研究に参加したケンブリッジ大のデービッド・ノーマン(David Norman)氏は、自分たちの結論が正しければ「脊椎動物の進化を扱う主要な教科書は全て書き換えが必要になる」と語った。

 米カリフォルニア大学(University of California)の生物学者、ケビン・パディアン(Kevin Padian)氏は同じくネイチャー誌に掲載された論評で、同論文での結論は「革命的」だと評価。今後他の研究者による検証が行われることを望むと述べている。

 研究結果を説明する動画は以下のサイトで公開されている。

https://youtu.be/BRlktNwTRjE

http://www.afpbb.com/articles/-/3122388
http://www.afpbb.com/articles/-/3122388?pid=0&page=2

【化石】恐竜の系統樹を大きく揺さぶる新しい仮説【natureasia.com2017年3月23日】
Fossils: Shaking up the dinosaur family tree

Nature
恐竜の進化的関係の推移に関する新しい仮説を紹介する論文が、今週掲載される。この仮説は、1世紀以上続いた定説に疑問を投げ掛けており、恐竜を2つの新しい主要分類群に分けるという大胆な提案をしている。その正当性が確認されると、現在の恐竜の系統樹を書き替える必要が生じる可能性がある。

これまでの約130年間、恐竜は、鳥式骨盤を特徴とする鳥盤目と爬虫類に似た骨盤を持つ竜盤目という2つの主要分類群(クレード)に分類されてきた。鳥盤目には鳥脚亜目(イグアノドンなど)と装甲恐竜(トリケラトプス、ステゴサウルスなど)が含まれ、竜盤目には肉食の獣脚亜目(ティラノサウルス・レックスなど)と巨大な竜脚亜目(ディプロドクスなど)が含まれている。

今回、Matthew Baronの研究チームは、さまざまな初期恐竜(74分類群)を調べて、457種類の特徴を分析し、解剖学的類似性と解剖学的差異を検証した。その結果、Baronたちは、鳥盤目と獣脚亜目を含み、共通祖先から受け継いだ21種類の特徴(顎骨の鋭い突起、独特の中足骨など)とその他のいろいろな共通の特徴を有する新しいクレードを作り出した。もう1つの新しい分類群には、竜脚亜目とヘレラサウルス科の肉食恐竜が含まれており、肉食の獣脚亜目は除外された。(Baronたちは、この第2の分類群と肉食の獣脚亜目には類似した特徴があるが、それらは独立に進化したものだと考えている。)

このBaronたちのモデルは、恐竜の進化に関する新たな手掛かりとなっている。例えば、初期恐竜は小型の雑食恐竜であり、二足歩行し、物体を把持できる手を持っていたことが示唆されている。また、今回の分析で、恐竜の起源がゴンドワナ大陸ではなく北半球だった可能性があることが明らかになったが、Baronたちは、恐竜の進化に関して時期と地理的環境の再評価が必要になっているという考えを示している。

DOI:10.1038/nature21700 | 英語の原文
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/11754

http://archive.is/9lbvZ
http://archive.is/EibLu
http://archive.is/xJuCY

posted by BNJ at 11:42 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: