2017年03月25日

世界覆う鶏肉不足の影 ブラジル食肉不正で禁輸、鳥インフル追い打ち【SankeiBiz2017年3月25日】

ブラジル・リオデジャネイロ市内のスーパーマーケットで、パックされた鶏肉を調査する食品衛生当局の職員(AP)【拡大】

 ブラジルでの食肉不正問題を受け、同国からの鶏肉輸入を規制する動きが各国に広がっている。同国は世界最大の鶏肉供給国。米国などで発生した鳥インフルエンザも鶏肉の輸出量に影響を及ぼしており、禁輸措置が続けば世界的な鶏肉の供給不足につながる恐れがある。

 輸出の40%占める

 ブラジルの大手食肉加工会社の一部が製造する食品の安全性に関して取り調べが進められる中で、スキャンダル発覚を受けて鶏肉輸入国は直ちに輸入規制に踏み切った。香港と合わせると世界最大のブラジル産鶏肉輸入国である中国のほか、サウジアラビアや韓国、メキシコ、欧州連合(EU)、日本なども輸入を制限した。ブラジルは世界の鶏肉輸出の約40%を占め、世界の鶏肉貿易に大きな穴が開いたままとなる可能性がある。

 折しも、ブロイラー鶏肉の世界2位の輸出国である米国で鳥インフルエンザが発生。今月に入り、鶏肉の最大生産州に数えられるテネシー州やアラバマ州から報告が相次いだ。韓国や世界最大のブロイラー輸入国である日本などが米国産鶏肉の輸入を一部制限している。

 ブラジルと米国は世界で取引される鶏肉の3分の2を産出する。米農務省(USDA)は2017年の世界の鶏肉輸出量が、過去最大の1140万トンに達し、うちブラジルが440万トンを占めると予想していた。他の生産国が不足分を補うことができなければ、鶏肉の供給が世界的に不足しかねない。

 農業用不動産市場の研究を手掛けるインフォーマ・エコノミクス・グループFNP(ブラジル)のディレクター、ホセ・ビンセント・フェラス氏は「米国が鳥インフルエンザの影響を受けている状況で、どの国が鶏肉輸出大国ブラジルからの供給の不足分を完全に埋め合わせることができるかを予測するのは難しい」と指摘。「現時点で可能な国は恐らくないだろう」とも懸念を示す。

 ブラジルが世界の鶏肉貿易に占める割合は今年、さらに拡大すると予想されていた。アジアや欧州、米国での鳥インフルエンザウイルス発生を受け、ブラジル産鶏肉の需要は増加していた。ブラジルのペレイラ商工サービス相は、今回の食肉不正問題で主要食肉供給国としての同国のイメージが打撃を受ける可能性があるとの見方を示した。

 一方で、米国とブラジルが開けた穴を狙う生産者もいる。アルゼンチンの鶏肉生産会社、クレスタ・ラハのサンティアゴ・ペレア最高経営責任者(CEO)は、ブラジルのスキャンダルを受けて、アジアへの輸出が拡大すると期待。同社の生産量に占める輸出の割合が現在の15%から6月までに25%に達すると見込んでいる。

規制の一部撤回も

 だが、オランダの金融大手ラボバンク・インターナショナルの食肉分野を担当するバイスプレジデント、ウィル・ソーヤー氏は、小規模の企業が輸出を増やしたとしても、価格と量の面で課題が残ると指摘する。ブラジル食肉加工大手BRFは1日当たり700万羽を生産、同JBSは570万羽を加工する能力を備えているが、クレスタ・ラハの生産量は、1日当たり26万羽にとどまる。

 インフォーマのフェラス氏は、巨大な需給ギャップを受け、輸入国は対ブラジル規制の一部撤回を余儀なくされると予想する。特に中国のように、鳥インフルエンザにより国内の生産量が落ちている国は、そうせざるをえないと指摘する。韓国は同国へ鶏肉を輸出する企業に不正がないことが明らかになり、規制を解除済みだ。

 米家禽(かきん)鶏卵輸出協会代表のジェームズ・サムナー氏は「われわれは、一部の国、とくに自国内での供給量が消費量を下回っている国が、科学的根拠に基づいて通商政策を決定するように望む。それができなければ、食料不足に苦しむ多くの人々が出てくるだろう」と警鐘を鳴らしている。(ブルームバーグ Tatiana Freitas、Shruti Date Singh)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170325/mcb1703250500006-n1.htm
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170325/mcb1703250500006-n2.htm
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170325/mcb1703250500006-n3.htm

http://archive.is/UTq7u
http://archive.is/VV58b
http://archive.is/yn5Kd
ブラジルの食肉不正問題、世界的な鶏肉供給不足につながる恐れ【ブルームバーグ2017年3月23日】
ブラジル鶏肉輸出に好影響 鳥インフルで世界の供給減少【サンパウロ新聞2017年3月13日】

posted by BNJ at 11:48 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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