2017年03月30日

(訪ねる)3月 研究所 多摩森林科学園 東京都八王子市【朝日新聞デジタル2017年3月30日】

淡いピンクがサクラ保存林をぬう歩道の両側に広がる=昨年4月12日、多摩森林科学園提供

 ■四方八方で漂う香り、花盛り

 花盛りのサクラは、香りも楽しめる。

 多摩森林科学園(東京都八王子市)で、広報担当のスタッフが教えてくれた。約1400本のサクラ保存林の一帯は、3月後半から4月にかけて、濃淡さまざまなピンクや黄、白で染め上がる。この時期、開園直後の木々の間には「甘い香り」が漂うという。

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 57ヘクタールの同園は、森林総合研究所の施設。首都圏から森が急減した高度経済成長期の1966年から全国のサクラを収集。花や葉などの形、来歴に、8年前からは遺伝子情報も加えて分類する。里山のホオノキやブナなどの広葉樹、モミやツガなどの針葉樹など森の多様性も研究。動物や昆虫の生育の変化なども調べ、子どもたちに教える。

 春は来園者が最も多く、「森の科学館」では4月中、展示パネルを使ってサクラを解説する。天然記念物に指定された老木が多いエドヒガン、江戸時代までサクラの代表だったヤマザクラ、伊豆や房総に分布するオオシマザクラなど、日本には10種類の野生のサクラが分布する。野生のエドヒガンとオオシマザクラを掛け合わせた「染井吉野(そめいよしの)」など、交配によって日本では約100のサクラがみられることも示されている。

 サクラの解説は火〜金曜日と4月3、15、16、30日の午前10時、同11時、午後1時、同2時から20〜30分間。この期間は混雑するため、通常行われているガイドツアーはない。

 科学館内には、園内のタヌキやニホンリスなどの剥製(はくせい)、クロアゲハなどの昆虫や、ヒノキやモミなどの標本も展示。木の太さのはかり方や年輪の見方もわかる。

 園内のサクラ保存林や第1〜第3樹木園には歩道が整備され、歩道沿いにサクラの名や日本のどこに咲いているかを示す標識がある。サクラの開花時期は園のホームページで知らせ、花の移り変わりを楽しみに訪れるリピーターが多い。

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 ガイドを務める森広信子さん(61)と、高低差約100メートルの園内を歩いた。サクラは蜜を求めるハチによって受粉すると、すぐに花の時期を終えるという。「虫が来ないと長持ちします。花は人ではなく、虫のために咲くのですね」。落ちていたヤブツバキの枝の鋭利な切り口に、「ムササビが歯でやったのです」と教えられ、思わず木の上の方を見上げる。所々にムササビや野鳥がいるポイントを示す看板もある。姿は見えなくても、どこかに気配を感じた。

 足元、目の高さ、頭上と、森にはいろんなつながりがあり、目をこらす楽しみがある。園長の窪野高徳さん(60)は、山の尾根からの眺望がおすすめという。「咲き誇るサクラが自然のパッチワークを織りなします」

 (平出義明)

 ◇多摩森林科学園はJR高尾駅北口から徒歩約10分。入園は午前9時30分(4月は午前9時)〜午後3時30分(閉園午後4時)。入園料は大人300円、高校生まで50円。4月のみ大人400円、高校生まで150円。3、4月無休、それ以外月曜日休園(月曜日が祝日の場合は翌日)。

 ■おすすめ

 森の科学館の展示では、4月中旬に淡紅色に咲く「江戸」=写真、多摩森林科学園提供=は、「糸括(いとくくり)」「八重紅虎(とら)の尾」の名がついたサクラと遺伝子が同じだという。同園によると、「江戸の名があまり有名でなかったので、異なる名がつけられたのでは」とみられ、形や特徴から同じ系統とみられたサクラが“他人のそら似”のケースもあったという。

 ◆一言堂で販売する乾麺のセット「高尾の里」を4人にプレゼントします。地元・八王子市の製粉会社が製造した、うどん2束と、そば、ひやむぎ、そうめん各1束(1束220グラム)入り。一言堂の田中哲司社長(41)によると「舌触りとのどごしがなめらか」。件名「訪ねる・森林」で名前、住所、電話番号を書いてメール(yukan-toukou@asahi.comメールする)で。4月5日(水)必着。当選者にのみ連絡します。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12868605.html

http://archive.is/8qgvh

posted by BNJ at 23:24 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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