2017年04月12日

イチからオシえて 花粉の「運び屋」実態調査 ミツバチ・鳥、植物の繁殖に貢献【毎日新聞2017年4月12日】

花粉を運ぶ動物
 地球上で花を咲かせる野生の植物の約9割は、受粉して種子を作るのにミツバチや鳥など花粉を運ぶ動物の力を借りている。世界ではこの種の動物が減って農作物の減収や生態系全体への影響が懸念される地域もあり、専門家は長期的な監視などの必要性を訴えている。

 花粉を運ぶ動物には、ハチやハエなどの昆虫のほか、鳥やコウモリなどがいる。いずれも花の蜜や花粉を餌にしており、餌を取りに行った際に花粉が体に付着し、結果として「運び屋」の役を担っていることが多い。

 ●主要作物の75%

 滝久智・森林総合研究所主任研究員によると、植物には特定の動物に頼るものがあり、互いに都合がいいように進化してきた。例えば、蜜が約30センチと非常に長い器官の奥にあるランと、同じくらい長い口先を持つガの仲間などが知られている。滝さんは「特定の動物に頼ったほうが同種内での花粉媒介の効率が良くなる場合がある」と話す。

 世界の主要作物の75%以上は動物に花粉を運んでもらっているが、最も影響が心配されるのが「ハナバチ」と総称されるハチの仲間だ。2006年ごろから米国でミツバチが突然消える「蜂群崩壊症候群」が問題化。運び屋の役割が注目されるようになった。

 ●減少の危機に

 世界中の専門家がまとめた「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットホーム(IPBES)」の報告書によると、世界全体のミツバチの飼育数は、過去50年では増加傾向にある。農業分野での人間への貢献度を換算すると、世界全体では1年間で最大5770億ドル(63兆4700億円)にもなる。しかし、開発による生息地の破壊や農薬の使用などによって危機にさらされており、欧州の一部や北米で減少。野生の運び屋も減っているという。

 日本でのミツバチの飼育数は近年増えてきたが、野生の運び屋についてはほとんど調べられていないのが現状だ。運び屋への依存度は地域によって差があり、青森県は農業生産額の約3割にもなるという。特に、果実類は運び屋を必要とするため、果樹生産の盛んな地域では依存度が高くなるという。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の小沼明弘・生態系サービス評価ユニット長らが国内全体の貢献度を換算したところ、13年時点で4731億円と、総生産額の8・3%にも上った。小沼さんは「海外では、多様なハナバチが花粉を運ぶ方が質の高い果実ができる可能性を指摘する研究もある。日本でも実際にどんな昆虫が貢献しているかを調べたい」と話す。【大場あい】
https://mainichi.jp/articles/20170412/ddm/013/040/013000c

http://archive.is/rkRrR

posted by BNJ at 11:26 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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