2017年04月19日

ヘンなくちばしをもつ鳥、写真12点 靴やヘルメットやサラダトングのようなものも【ナショナルジオグラフィック日本版ニュース2017年4月19日】

サイチョウ
この印象的な鳥は、「カスク」と呼ばれる頭部の構造物で鳴き声を増幅させる。写真は米国シンシナティ動物園のメス。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

 今回は鳥のくちばしについて考えてみたい。世界でいちばん変わったくちばしは、どんなものだろう?(参考記事:「フォトギャラリー:ゴージャスな羽を誇る美鳥14選」)

上下は多くても横向きは1種

 世界中で1万種を超える鳥が知られているが、中には独特のくちばしをもつものがいる。

 例えば、ニュージーランドのハシマガリチドリは、知られている中で唯一「横に曲がったくちばし」をもつ鳥だ、と米国ピッツバーグにある国立鳥類園の鳥類学者ボブ・マルヴィヒル氏が教えてくれた。おかしな形に見えるかもしれないが、川の石の下に隠れている好物の水生昆虫を探すには、この方がずっと都合がいい。

 下向き、つまり下に曲がったくちばしをもつ鳥は多い。例えば、花の蜜を主食にするカギハシハチドリのくちばしは、花のカーブにぴったり合うよう下に曲がっている、とマルヴィヒル氏は言う。(参考記事:「羽ばたく宝石ハチドリ」)

 くちばしが上向きの鳥もいる。絶滅の危機に瀕している南米のソリハシヤブアリドリは、上に反ったくちばしのおかげで、「モナリザの微笑みをもつ」と言われる。多様なソリハシセイタカシギ属は、細く上方に反ったくちばしを使って浅瀬をさらい、小さな獲物を捕らえる。


ソリハシセイタカシギ
米国シルヴァン・ハイツ・バードパークのソリハシセイタカシギ。細く上方に反ったくちばしを使って浅瀬をさらい、小さな獲物を捕らえる。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

サラダトングや靴も

 鳥のくちばしは、その生態について多くを教えてくれる、とマルヴィヒル氏。

 南北米大陸の東部に分布するクロハサミアジサシは、受け口の、つまり上くちばしよりも下くちばしの方が長い唯一の鳥だ。これは飛びながら水面直下の獲物をすくうのに役立つ。


クロハサミアジサシ
米国バトンウッド・パーク動物園でカメラの前に立つクロハサミアジサシの「ボリス」。知られている限り、下くちばしが上くちばしよりも長い鳥はこの種だけだ。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

 アトリ科の一種であるイスカは、上下のくちばしがきちんとかみ合わずに交差している。これは松かさから種を取り出すのに適した形だ。(参考記事:「アメリカ、野鳥への餌やりが拡大」)

 ベニヘラサギは、その名前の元になった形によらず、くちばしを「へらというよりサラダトングのように使い」、半開きにして水中で左右に振り、獲物をひっかけるのだと米フロリダ・ガルフ・コースト大学の行動生態学者ジェローム・ジャクソン氏がメールで教えてくれた。


ベニヘラサギ
この色鮮やかな鳥は、サラダトングのようなくちばしを使って獲物をかき込む。米国グラディス・ポーター動物園で撮影。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

 アフリカ大湖沼地域のハシビロコウは、靴のような形の巨大なくちばしをもっている。そんなくちばしで何を食べるのだろうか? 「食べたいものはほとんど何でも」とマルヴィヒル氏は答える。ただし、いちばんの好物は子ワニだそうだ。

【動画】ハシビロコウ
餌のみに使うにあらず

 くちばしは食べるため以外にも使われる。

 東南アジアに生息するサイチョウのくちばしの上には、「カスク」と呼ばれるヘルメット状の突起がある。内部はほぼ空洞でハチの巣状になっており、そこで音が反響し、鳴き声が増幅される、とマルヴィヒル氏。(参考記事:「『赤い象牙』もつサイチョウ、密猟で絶滅の危機に」)

 北方に分布するツノメドリは、オスもメスも鮮やかな「漫画のようなくちばし」を見せびらかして異性を誘う。「ただし、繁殖期が終わるとカラフルな固いプレートのような部分がはがれ落ち、すっかり地味なくちばしになる」と言う。くちばしを衣替えする鳥もいるのだ。(参考記事:「癒やしの鳥 パフィン」、「“癒しの鳥”パフィンの越冬地がついに判明」)

ヘンなくちばしの鳥、写真8点

写真はこちら(次ページ)(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

ツノメドリ
米国モントレー湾水族館のツノメドリ。立派なくちばしで異性を誘う。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

アメリカダイシャクシギ
この種は、胴体より長いくちばしをもつ。写真は米国トレーシー鳥類園のメス。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

ホシバシペリカン
このホシバシペリカンのように、ペリカンは大きな袋状のくちばしで魚をすくい取り、余分な水を吐き出してから食べる。チェコのピルゼン動物園で撮影。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

ハシビロコウ
アフリカのハシビロコウは、ワニの子どものような大きな獲物も口に入れられる。写真は米国ヒューストン動物園で飼育されているもの。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

カッショクペリカン
この鳥は絶滅の危機から復活した。海岸沿いに生息し、一気に海中に飛び込んで小魚を捕らえ、あっという間に食べる。写真は米国サンタバーバラ野生生物保護ネットワークで飼育されている個体。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

アメリカトキコウ
アメリカトキコウは、魚がくちばしに触れたのを感じてから0.025秒ですくい上げることができる。米国セジウィック・カウンティ動物園で撮影。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

チリーフラミンゴ
まるで置き物みたいだが、米国グラディス・ポーター動物園のチリーフラミンゴだ。この独特のくちばしのおかげで、水中の小さな有機物を濾しとって食べることができる。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

消えゆく鳥
ホシバシペリカンは、かつてはアジア全域で見られたが、その数は減少し、現在はインド、カンボジア、スリランカにのみ生息する。この個体はチェコ、ピルゼン動物園のもの。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)

文=Liz Langley/訳=山内百合子
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/041800077/
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/041800077/?P=2

http://archive.is/iXEdZ
http://archive.is/kCdSx

posted by BNJ at 22:01 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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