2017年05月10日

野鳥とともに/2 三宅島(東京都三宅村) 固有種がすむ火山の島【毎日新聞2017年5月10日】

木漏れ日の中で羽を休めるアカコッコ=フリーカメラマンの尾上和久さん撮影

 三宅島は、東京都心から南へ約180キロ離れた伊豆諸島南部にある火山島です。周囲に黒潮が流れる冬でも温暖な島で、約2600人が暮らしています。野鳥の生息密度が高く、アカコッコなど日本固有の野鳥が見られることから、“バードアイランド”とも呼ばれています。

 春、早朝に東京からの定期船が港に着くと、辺りはたくさんの野鳥のさえずりに包まれています。森に向かうと、まず出合えるのはツグミの仲間のアカコッコ。本州に夏鳥として訪れるアカハラに似ていますが、羽色が濃く、世界中で伊豆諸島とトカラ列島(鹿児島県)だけにすむ野鳥です。森のあちこちから、ウグイスの仲間のイイジマムシクイやシチトウメジロのさえずりが聞こえてきます。「ツン、ツン、ビー」と聞こえるのんびりとしたさえずりは、伊豆諸島南部だけにすむオーストンヤマガラです。三宅島には、こうした島特有の野鳥に出合える魅力があります。

 古くから噴火を繰り返してきたこの島。溶岩原や火口跡などの火山景観や溶岩に埋もれたままの集落など火山の遺構を見ることができます。昭和に3回、平成では2000年に起きた大規模な火山活動で、住民が島外に避難しました。05年に住民は帰島。今では、中央部にある雄山の山頂火口から放出される火山ガスの量は減り、ふもとの森林の緑は戻ってきています。

 一方で、心配なこともあります。ネズミの駆除のために持ち込まれたホンドイタチによる捕食で、アカコッコは激減。島内で繁殖していたオオミズナギドリやサシバは姿を消しました。また、開発による生息地の消失も進みつつあります。かけがえのない島の自然を将来の世代につないでいくのは、大切なことです。(日本野鳥の会・山本裕)=次回は6月7日

 ※国際的な基準で選定された「重要野鳥生息地(IBA)」を紹介します。国内に167カ所あります。

主に見られる鳥
アカコッコ

イイジマムシクイ

カラスバト

オーストンヤマガラ

シチトウメジロ
https://mainichi.jp/articles/20170510/ddm/013/040/043000c

http://archive.is/88867
野鳥とともに/1 藤前干潟(名古屋市) 都市近郊に貴重な中継地【毎日新聞2017年4月12日】

posted by BNJ at 11:27 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: