2017年05月10日

新潟)韓国、トキ放鳥計画延期 生息環境の整備に遅れ【朝日新聞デジタル2017年5月10日】

韓国のトキ再生事業について話すトキ専門員の本間穂積さん=8日、佐渡市
 韓国が今年度予定していたトキの放鳥計画を延期することが分かった。日本と同様、一度絶滅した韓国産トキは中国からの供与で人工繁殖に成功し、今年度から放鳥を始める予定だったが、自然界で生息する環境が整わなかったとされる。

特集:どうぶつ新聞
 佐渡市トキ交流会館で8日夜にあった「韓国トキ野生復帰セミナー講師の報告会」で、同市トキ専門員の本間穂積さんが明らかにした。

 本間さんは4月18〜21日、韓国の慶尚南道昌寧郡であった慶尚南道ラムサール財団主催の同セミナーに講師として派遣され、日本のトキの野生復帰の生息状況を説明し、韓国側からはトキの繁殖状況や野生復帰事業の報告を聞いた。

 環境省佐渡自然保護官事務所などによると、韓国では1979年、北朝鮮との非武装中立地帯でトキが確認されたのが最後で、その後絶滅したとされる。日本では2003年、雌のキンが死亡し、一度絶滅した経緯があり、同様の経緯をたどってきている。

 本間さんによれば、中国からトキ計4羽の供与を受けた韓国は現地のトキ復元センターでトキの人工飼育を続け、現在の飼育数は171羽まで増えた。今年は300羽まで増やしたいという。その人工飼育に貢献したのが、佐渡で行ってきた飼育と放鳥で得た野生復帰事業のノウハウ。韓国の関係者は何回も佐渡を訪れた。放鳥前のトキを訓練させる施設、順化ケージの構造などを学び、日本とは構造の違う円形の順化ケージを完成させたという。「順化ケージの内部が鉄骨でむき出しになっており、衝突防止用のネットも張っておらず、危険であることを現地の関係者に伝えました」と本間さん。

 韓国の放鳥予定地は、トキ復元センターがある世津村の一角にあるウポ沼という湿地帯。周囲は水稲地帯で、広範囲にニンニク、タマネギの二毛作が行われている。えさ場となるビオトープ(野生生物の生息空間)用地の買収も進めているが、生息環境、社会環境の整備が全体的に遅れ、今年度の放鳥を見送ったという。来年度以降の計画は明らかにしていない。

 本間さんは「トキの人工繁殖は進んでいるが、放鳥に向けた環境整備は遅れており、事業主体が国なのか昌寧郡なのか明確になっていない。また放置用訓練スタッフが不足し、モニタリングの方法、人員要請も進んでいない」と現地で感じた感想を述べた。また現地の関係者に「佐渡では08年に放鳥が始まった時から、佐渡の人間はトキと共生して生きていくことを決めた。決めた以上、後戻りは出来ない」という話を伝えたという。

 日中韓の3国は現在、国際的緊張の関係にあるが、トキに関しては関係者の情報交換や交流が続いており、昨年12月には新潟市で3国による日中韓トキ国際会議が開かれるなど、トキの野生復帰事業に前向きな協力が進められている。(原裕司)
http://www.asahi.com/articles/ASK593WFKK59UOHB00C.html

http://archive.is/lE5fr
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posted by BNJ at 11:33 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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