2017年05月23日

雨氷 野鳥が受難? 16年1月の被害 岡谷の専門家が調査【信濃毎日新聞2017年5月23日】

雨氷により多数の木が倒れた塩嶺御野立公園=2016年2月1日
 松本地方を中心に県内の広い範囲で倒木などが起きた2016年1月末の雨氷で、岡谷市と塩尻市境の塩嶺御野立(えんれいおのだち)公園で、枝から落ちた氷に当たって野鳥が死んだとみられることが22日、分かった。詳しく調べた日本野鳥の会諏訪支部長の林正敏さん(73)=岡谷市=は「初めて見たケース」とする。解け始めた氷が一気に大量落下した際に被害に遭ったと推測している。

 雨氷は、雨粒が冷えた樹木に触れて瞬間的に凍り付く現象。16年1月は松本地方の道路が倒木で相次いで通行止めになり、松本市の扉温泉などの旅館やホテル、集落などが孤立した。林さんは野鳥ガイドなどのため、塩嶺御野立公園内の市施設に常駐。雨氷の後、公園ではシラカバやカラマツなど34種類の1217本が倒れたり、折れたりしたという。

 林さんが16年3月に園内の被害を調べた際、公園で越冬するアトリ14羽、コガラとトラツグミ1羽ずつの死骸を発見。いずれも被害木の近くで、群れで行動するアトリはほぼ同じ場所で死んでいた。

 アトリとコガラ、トラツグミの計6羽を解剖したところ、アトリ3羽の頭部に打撲痕があり、骨も陥没していた。ほかの3羽は背中に打撲痕があった。

 林さんは、気温上昇に伴って木に付いた氷が「雨のように一斉に落ちる場面」を何度も目撃した。少なくとも6羽は氷に当たって死んだと推測。木の下の地面にいたり、飛んでいたりした際に、「氷が逃げ場がないほど広範囲に落ちた」可能性を指摘。「鳥にとって悪条件が重なった結果ではないか」と話している。

 山階鳥類研究所(千葉県)によると、国内ではひょうが頭に当たって野鳥が死んだ例がある。研究員の岩見恭子さん(46)は「同じ森の近い場所で死んだ複数の鳥に似た外傷が確認された。落ちた氷が原因と考えることはできる」としている。

 塩嶺御野立公園では、雨氷で木が倒れたり、枝が折れて日当たりが良くなった影響で、日陰を好むヤブサメの鳴き声や繁殖が16年以降、確認できなくなっているという。岡谷市は森林再生に向け、16年度に約30本、17年度は4、5月に約100本の広葉樹を植えた。林さんは「成長の早い樹種を選んだ。再生を進めたい」としている。

(5月23日)
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170523/KT170512FTI090014000.php

http://archive.is/rxK84

posted by BNJ at 09:49 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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