2017年06月05日

本よみうり堂 評・稲泉連(ノンフィクションライター)『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』 川上和人著【読売新聞2017年6月5日】

 なんとも風変わりで愉快な学問の啓蒙けいもう書だ。鳥類学者である著者のキャラの濃さに、文字通り声をあげて何度も笑ってしまう。

 冒頭から4、5行に一度は繰り出されるジョークに一瞬、「いったい何の本なのだろうか」という思いも過よぎるが、いつの間にかそこで語られる内容の高度さに引き込まれ、狐きつねにつままれたような気持ちになった。火山島でのフィールドワーク、新種発見をめぐる秘話、鳥の様々な生態など専門性の高い内容が、ユーモアのオブラートに包まれて実に分かりやすく描かれている。

 絶海の孤島で蠅はえまみれになって冒険家さながらの調査をしていたかと思えば、森永製菓のキャラクター「キョロちゃん」を生態学的に解説してみる――読者を飽きさせない引き出しの多さに、「鳥を研究すること」への著者のこだわりと愛を感じた。

 鳥類学とはどのような学問であり、その「仕事」の醍醐だいご味はいかなるものか。自由奔放な筆致を楽しむうち、鳥と「鳥類学者」なる奇妙な人々に強い関心を抱かざるを得なくなる一冊である。(新潮社、1400円)
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20170529-OYT8T50061.html

http://archive.is/Qy46Q
鳥類学者だからって鳥が好きとは限らない 研究者が最高に楽しめる本を書いた!【東洋経済オンライン2017年4月22日】
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。
川上 和人
新潮社
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posted by BNJ at 22:09 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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