2017年06月24日

地鶏 消費奪い合い 天下トリ狙う名古屋コーチン 強気の増産、「比内」「阿波」も攻勢【毎日新聞2017年6月24日】

 鍋に焼き鳥、親子丼。食卓に欠かせない鶏肉の高級品「地鶏」の産地間競争が激しくなりそうだ。愛知県が名古屋コーチンの生産倍増計画を掲げたほか、残る「日本三大地鶏」の比内地鶏、薩摩地鶏を誇る秋田、鹿児島両県も増産を狙う。販売先は限られ、消費者の奪い合いとなる可能性もあるだけに、関係者は「消費の裾野を広げる戦略が不可欠」と指摘する。

 独立行政法人家畜改良センターの集計を基に調べると、在来種の血統を持つなど地鶏の規格を満たすのは40種ほど。出荷量の統計はないが年600万羽程度とみられ、約6億8000万羽のブロイラーの約1%。

 同センターによると、2015年度の肉用名古屋コーチンの生産は92万羽で、徳島県の阿波尾鶏(おどり)の200万羽に次ぐ2位。名古屋コーチン協会は「知名度は抜群。消費はまだ増える」と前のめりでいる。愛知県は種鶏提供を一手に担う種鶏場の新築移転を決め、17年度に1億3000万円を計上した。稼働後約10年で200万羽へ生産を倍増させる計画という。

 出荷増を狙うのは他産地も同様。秋田県では比内地鶏を58万羽生産する。販路拡大を狙い昨年、専任職員を東京都に置いた。県は「鶏がらの引き合いも多く、生産拡大を目指す」とする。

 鹿児島県では薩摩地鶏に並ぶ地鶏として06年に開発した「黒さつま鶏」の出荷が19万羽に達した。飼いやすいと評判で、黒豚、黒牛に次ぐ第3の特産品に育てる考えだ。大分県は烏骨鶏(うこっけい)の血を引く「おおいた冠(かんむり)地どり」を08年から出荷している。後発だが生産は右肩上がりで11万羽まで増えた。

 各地が拡大を狙うが、日本食鳥協会(東京都)は「価格が高い分、納入先は高級店に限られがち。消費の奪い合いでなく、市場を広げる取り組みが必要」と指摘する。愛知県は1905(明治38)年に品種認定された日の3月10日を「名古屋コーチンの日」としてPRしており、関係者は「晴れの日に家庭でも食べてほしい」と期待する。

 徳島県は阿波尾鶏の海外展開を進める。富裕層の多い香港などに年1万〜2万羽を輸出し、今後も拡大を見込む。

 ■ことば

地鶏
 日本の在来種を親などに持つニワトリで、日本農林規格(JAS)が基準を定める。明治までに国内で定着していた「シャモ」など在来種の血を50%以上含み、ふ化から75日以上の飼育が必要。28日目以降は、鶏が床や地面を自由に運動できるようにして飼うことも条件。50日程度で出荷するブロイラー(肉用若鶏)との違いを出すため、餌などを工夫して育てた「銘柄鶏」もある。
https://mainichi.jp/articles/20170624/ddh/001/020/005000c

posted by BNJ at 21:47 | Comment(0) | 養鶏畜産ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: