2017年06月29日

(訪ねる)見る、学ぶ ミュージアムパーク茨城県自然博物館 茨城県坂東市【朝日新聞デジタル2017年6月29日】(羽毛恐竜/菅生沼)

背面に部分的に羽毛が生えた復元を採用した、新しいティラノサウルスの親のロボット

 ■恐竜ロボも“進化”する

 鋭利な歯をむき出し、首を左右に振りながらうなり声を上げるティラノサウルス。迫力満点の最強の肉食恐竜が、まるで生きているように動く。茨城県坂東市のミュージアムパーク茨城県自然博物館で、3月18日から新たに展示されている恐竜ロボットだ。古生物担当の加藤太一学芸員(28)はログイン前の続き言う。「恐竜が生きた時代の研究成果を来館者に楽しんでもらいたい」

 中生代白亜紀末期(約6600万年前)に北米の森林で、ティラノサウルスの親子が草食恐竜のトリケラトプスと遭遇し、威嚇し合う――。3分間のストーリーを自動でプログラミングしている。

 体長はティラノサウルスの親が7メートル、子が約3メートル、トリケラトプスは4メートル。展示スペースとの兼ね合いから、実物の70%の大きさに東京都羽村市の制作会社が仕上げた。シダやソテツ、花を咲かすモクレン類、樹上や水辺に展開した小型の哺乳類の模型も加え、自然環境も再現した。

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 1994年の開館からあった以前のティラノサウルスのロボはトカゲのような肌だったが、新展示は親の背面、子の全身に羽毛を生やした。

 恐竜学の第一人者で国立科学博物館標本資料センター長の真鍋真さん(57)は、恐竜ロボの監修協力者の一人。「体の容積が小さい子は体温が下がりやすく、全身を羽毛で覆いました。容積が大きくて体温が下がりにくい親まで同様にするとオーバーヒートしてしまうので、一部にとどめたわけです」

 細部にわたり、近年の科学的知見を反映した。中国で羽毛恐竜の化石が発見されたのは96年。2010年には羽毛から色の手がかりとなるメラニン色素が見つかった。羽毛で体温を制御しやすくなったことで恐竜が繁栄した、と真鍋さんはみている。

 小惑星の衝突によって地球規模の気象大変動が起こり、植物が枯れて恐竜が絶滅したとする説に反論する人はいない。ティラノサウルスが生きたのは恐竜が君臨した最後の時代だ。真鍋さんは、恐竜ロボの立場をこう考察する。

 「草食恐竜の多様性が低下し、恐竜の食物連鎖のピラミッドが不安定な状態だったという新説があります。小型の哺乳類が少量のカロリーで生き延びたのに対し、大型の恐竜が壊滅的な状況に陥ったのは、それも要因ではないかと。生物多様性の問題を考えると、現代人もひとごとではないかもしれません」

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 展示は恐竜ばかりではない。「生きた化石魚」と呼ばれるシーラカンスの特集コーナーでは、剥製(はくせい)標本がひときわ目を引く。ワシントン条約に抵触するため東京税関で没収され、輸入業者が所有権を放棄したもので、学芸員が借り受けて丹念に修復した。

 豊かな山林、河川、海に恵まれた茨城県の生態系をコンパクトに再現しているのも、県自然博物館の魅力の一つだ。水系展示室では、イワナやオイカワ、スズキなどが外周約35メートルの半円形の水槽を泳ぐ。魚類担当の土屋勝学芸主事(45)は「上流と中流は久慈川、下流は利根川と、県内を流れる河川をモデルに、順を追って観賞できます」。アクアワールド茨城県大洗水族館のスタッフ3人が常駐し、丁寧に維持管理をしている。

 敷地は東京ドームの約3・5倍の15・8ヘクタール。館内に並ぶ膨大な数の展示で知識を得た後は、野外施設で岩石の中から化石を見つける「化石のクリーニング」(毎月第1・第3土曜日、要予約)や貝の化石の発掘体験もできる。

 隣接する菅生(すがお)沼は野鳥の楽園で、県内最大の自然環境保全地域に指定されている。周辺を散策するのもいい。1日滞在しても飽きない「ミュージアムパーク」である。

 (辻岡大助)

 ◇茨城県自然博物館(電話0297・38・2000、月曜休館)へは、つくばエクスプレス守谷駅から関東鉄道バス「岩井バスターミナル」行き(1日3〜4本)で約20分、徒歩約5分。東武愛宕駅から茨城急行バス「岩井車庫」行き(1時間に1本程度)で約15分、徒歩約10分。バスはいずれも「自然博物館入口」下車。

 ■(おすすめ)「進撃の巨人」街のモデル?

 「進化する宇宙」をテーマにした第1展示室には、約1450万年前の巨大隕石(いんせき)による衝突でできたクレーターの模型がある。直径約24キロのドイツの「リース・クレーター」で、実物の4万分の1にあたる直径約1メートルで再現。クレーター内には中世の城郭都市、ネルトリンゲンが形成された。人気漫画「進撃の巨人」のファンの間では巨人の襲来を受ける街の「モデルでは」とささやかれている。

 天文担当の高野朋子学芸主事(35)は「隕石を調べることで太陽系の起源や地球内部の構造を知ることができる」。2013年に空中分解しながらロシアに落下した「チェリャビンスク隕石」のうち、51グラムと9グラムの計2点を所蔵し、今秋までに常設展に加えようと準備を進めている。

 ■プレゼント

 1階ミュージアムショップで販売されているミュージアムパーク茨城県自然博物館編「地球再発見〜いばらき自然ものがたり」(茨城新聞社刊)、ティラノサウルスのロボットの旧展示が表紙の「がくしゅうちょう」、クネクネと曲がる不思議な鉛筆の3点セットを5人にプレゼント。件名「訪ねる・茨城」で名前、住所、電話番号を記入して、メール(yukan-toukou@asahi.comメールする)でご応募ください。7月5日(水)必着。当選者にのみ連絡いたします。

 ◇来月のテーマは「橋」の予定です。
http://www.asahi.com/articles/DA3S13011072.html

http://archive.is/cQGSs

posted by BNJ at 21:31 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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