2017年06月29日

小枝でリズム、ドラマーみたいなオウム メスいると2倍【朝日新聞デジタル2017年6月29日】

【動画】まるでドラマー ビート刻むオウム 豪州に生息=サイエンス・アドバンシズ誌提供

小枝を足でつかみ、リズムを刻むオスのヤシオウム(右)、(サイエンス・アドバンシズ誌提供)

 豪州などに生息するオウムの仲間ヤシオウムのオスが、折った小枝などを止まり木に打ちつけて音を鳴らし、独特のリズムを刻む習性があることがわかった。メスを引きつけるためとみられる。野生生物が手足など体の一部を使って音を出したり、エサをとるために道具を使ったりする例はチンパンジーなどで知られているが、道具で音を鳴らす行動が確認されるのは初めてという。

 オーストラリア国立大などの研究チームが米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に論文を発表した。チームは7年がかりで、野生のヤシオウムのオス18羽が小枝などを繰り返し打ちつけて音を鳴らす行為を計130回以上観測。打ちつける間隔は、小刻みな連打から3秒近くまで幅があり、個体ごとに独自のリズムを持つらしいこともわかった。鳴らす頻度は、メスが近くにいた方が2倍以上多かったという。

 鳴らす時は、鉛筆ほどの長さに折った小枝などを足でつかみ、ロックバンドのドラマーのように頭を深く振る。とさかのような羽毛が逆立ち、翼を広げたり、鳴き声を上げたりすることもある。性的に興奮していることを示す、ほおの赤みが増す現象が現れることもあるという。チームのハインソーン・オーストラリア国立大教授は「鳥がリズムを刻む行為を人と比べることで、人間の音楽がどのように始まったのかを探る手がかりにもなる」としている。(ワシントン=小林哲)
http://www.asahi.com/articles/ASK6Y2FT2K6YUHBI005.html

【動画】鳥が自作の道具でリズム刻む、人以外で初 個体ごとの音楽スタイルも存在、オーストラリアのヤシオウム【ナショナルジオグラフィック日本版ニュース2017年6月30日】
空洞になった木をたたくヤシオウムのオス。(PHOTOGRAPH BY ROBERT HEINSOHN)
 ヤシオウム(Probosciger aterrimus)のオスは動物界のロックスターかもしれない。目的はやはりメスの気を引くことのようだ。(参考記事:「動物大図鑑 オウム」)

 最新の研究によると、オーストラリアに生息するヤシオウムは人間以外で唯一、自作の道具を使って楽器のようにものをたたく動物だという。チンパンジーなどは棒と丸太でドラミングを楽しむが、そのための道具をつくることはない。研究の成果は6月28日付けの科学誌「Science Advances」に発表された。(参考記事:「ニューカレドニアカラスは釣り名人」)

 論文の主要著者であるオーストラリア国立大学の保全生物学者ロバート・ヘインソーン氏は、1997年、オーストラリア北部でヤシオウムのオスによるこの行動を初めて目撃した。

「ヤシオウムはスティックのようなものを握り、木の幹をたたいていました。そして時折、動きを止めてはとさかを立て、甲高い声や金切り声を上げていました」(参考記事:「新種インコを発見、声はタカ似、残り100羽ほどか」)

 興味を引かれたヘインソーン氏は20年にわたり、臆病なヤシオウムの映像を撮影し続けた。ドラムをたたくようなこの行動が音楽かどうかを確かめたかったからだ。本当に音楽であれば、一定のビートと反復、そしてもちろん、独自のスタイルが見られるはずだ。

 ヤシオウムたちの演奏を分析した結果、はたして人間の音楽と同じように、繰り返しのパターンや一定のビートなど、極めて予測しやすいリズムを刻んでいることがわかった。しかも、石や棒を握るすべてのオスが独自の音楽スタイルを持っていた。なお、ナショナル ジオグラフィック協会はヘインソーン氏の研究を支援している。(参考記事:「「笑い声」で明るい感情が伝染、NZの希少オウム」)

メスにアピール

 論文によれば、ヤシオウムのオスたちが演奏しはじめたときの約7割は、近くにメスがいたときだった。

 しかも、多くの場合、ドラムだけでなく、歌と視覚的なディスプレイを組み合わせていた。(参考記事:「フォトギャラリー:ゴージャスな羽を誇る美鳥14選」)

「彼らは性的に興奮すると、頬が赤くなるんです」と、彼らの目的が明らかである証拠をヘインソーン氏は説明した。

 ただし、今回の研究ではメスの反応を調べていない。

次ページ:「リズムの喜びを知っているよう」

ドラムスティックを握るヤシオウム(Probosciger aterrimus)のオス。(PHOTOGRAPH BY ROBERT HEINSOHN)
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 米タフツ大学の教授で、音楽認知を専門とするアニルド・パテル氏は、メスはリズムの違いを聞き分けられるかどうかという新たな疑問を指摘した。なお、パテル氏は今回の研究に参加していない。

「一定のリズムを刻めるからといって、基本的なリズムを認知する能力があるとは限りません」。メスが不規則なリズムより規則的なリズムに引き付けられるかどうかも検証する必要があります、とパテル氏は指摘している。

リズムの喜び

 人間の場合、打楽器で一定のリズムを刻むことは、生き物としての本質に深く根差している能力だ。この能力をどのように獲得したかは長年の研究テーマとなっている。かのチャールズ・ダーウィンでさえ、人が先天的にリズムを好むことを指摘している。(参考記事:「「ネアンデルタール人の笛」、動物の仕業だった」)

 ヤシオウムのオスはユニークなリズムを刻むが、決して踊ることはない。対して人の場合、ダンスは音楽と密接に結び付いている。(参考記事:「踊る動物に音楽誕生の謎を探る」)


空洞になった木をたたくヤシオウムのオス。(PHOTOGRAPH BY ROBERT HEINSOHN)
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 アメリカシロヅルやフウチョウなど、多くの鳥が求愛のダンスを行うが、ヤシオウムは何よりもリズムに関心があるようだ。(参考記事:「ヘンなくちばしをもつ鳥、写真12点」)

 また、ヤシオウムのドラムには独演という特徴もある。そのため、ヘインソーン氏は群れの中で学ぶものではなく、純粋に個体の求愛行動として進化したのかもしれないと予想している。

「彼らは人と同じで、リズムの喜びを知っているように見えます」とヘインソーン氏。

「1羽のオスが心地よいドラムのリズムパターンを生み出し、それがメスたちに受け入れられたら、ほかのオスがすぐさま学習し、オスたちの間に広まっても不思議ではありません」

文=Shaena Montanari/訳=米井香織

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/063000248/
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/063000248/?P=2

http://archive.is/nS6FX
http://archive.is/wuqGu
http://archive.is/V7K5Q

posted by BNJ at 21:51 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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