2017年07月13日

人工授精2年連続成功 「海響館」のフンボルトペンギン、今月下旬公開へ【読売新聞2017年7月13日】

順調に大きくなっているフンボルトペンギン(6月23日撮影、海響館提供)
 下関市の水族館「海響館」が、絶滅の恐れがあるフンボルトペンギンの凍結精子を使った人工授精に2年連続で成功した。4月にはヒナ1羽が孵化ふか。体重が増えずに、親の代わりに飼育スタッフが餌を与える人工育雛いくすうに切り替えていたが、順調に育ってきたことから、今月下旬には一般公開の展示スペースに戻す予定だ。(中村明博)

 フンボルトペンギンは、チリなど南米の太平洋沿岸海域に生息。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧2類」に指定されている。

 同館にはペンギン専用の展示施設「ペンギン村」があり、約70羽のフンボルトを含む5種類約140羽を飼育。凍結精子を使った人工授精には2012年から取り組む。雌の体重変化や繁殖時期の行動を観察し、採取した精子の凍結や解凍方法などを研究してきた。

 昨年4月にはフンボルトとしては世界で初めて人工授精に成功し、2羽を孵化させた。今年も昨年と同じ雄の「ゲンキ」から精子を採取し、凍結、解凍した後、2月25日に雌の「ハッピー」に人工授精を実施。3月に産んだ卵2個のうち一つが有精卵で、4月11日に1羽が誕生した。

 人工育雛では、アジやシシャモ、イワシをすりつぶした離乳食や切り身などを与えている。77グラムだった孵化時の体重は今月12日現在、3・42キロにまで成長。性別はまだ分かっていない。

 飼育スタッフの久志本鉄平さん(35)は「世界のペンギンの半数以上は絶滅危惧種。人工授精の技術が確立できれば、他のペンギンの繁殖にも応用できる可能性がある」と話す。同館はチリの国立公園とフンボルトの研究、保護に関する協力協定を結んでおり、人工授精に関する技術交流も検討するという。

 日本動物園水族館協会(東京)の担当者は「ペンギンの人工授精は世界で数件しか成功例がない。遺伝的多様性の維持や種の保存にも役立つ」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamaguchi/news/20170712-OYTNT50174.html

タウンたうん ペンギンのヒナ、すくすく 下関 /山口【毎日新聞2017年7月14日】
順調に育っている海響館2例目の人工授精で誕生したフンボルトペンギンのヒナ
 下関市の水族館「海響館」で今年4月に同館2例目の人工授精で誕生したフンボルトペンギンのヒナが順調に育っている=写真・海響館提供。

 ヒナは当初、仮の親鳥に預けられていたが、4月末ごろから体重が思うように増えなくなったため、人工育雛(いくすう)に切り替えたという。親鳥の体温ぐらいに温度を調節した育雛器の中で飼育し、職員が餌を与えた。餌は魚をすりつぶしたものに粉ミルクを混ぜた特製のもので、そのかいあって育雛器に入った時には0・38キロだった体重も約10倍の3・4キロと成鳥と同じぐらいまで育った。

 現在は室内で個別に育てられているが、今月末ごろには屋外に出られそうだ。【上村里花】

〔山口版〕
https://mainichi.jp/articles/20170714/ddl/k35/040/363000c

http://archive.is/JhW31
http://archive.is/j9Anq
フンボルトペンギン 人工授精に成功 技術確立で繁殖に応用へ 下関・海響館 /山口【毎日新聞2017年4月12日】
ひと人 ペンギンの人工授精に成功した 久志本鉄平さん /山口【毎日新聞2016年5月29日】(海響館/フンボルトペンギン)
山口)ペンギン人工授精成功の海響館が記者会見【朝日新聞デジタル2016年5月25日】
フンボルトペンギン凍結精子で人工授精…世界初【読売新聞2016年5月25日】

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