2017年08月02日

野鳥とともに/5 母島列島(東京都小笠原村) 地上に暮らす幻のハト復活【毎日新聞2017年8月2日】(アカガシラカラスバト)

ノネコ対策により個体数が回復してきたアカガシラカラスバト=「アルパインツアーサービス」石田光史さん撮影

 世界自然遺産として知られる小笠原諸島。その南に位置する母島列島は、面積約20平方キロの母島とその属島からなります。これまで大陸とつながったことがなく、海が生き物の移動を阻んでいます。この環境の中で生き物は独自の進化をし、固有種が多いことが大きな特徴です。鳥類も、キツツキやキジの仲間、スズメがいないなど、本州とは異なる分布をしています。中でも目の周りに黒斑のあるスズメ大のハハジマメグロは、世界中でも母島など列島3島だけにすむ鳥です。また、産卵数が少なく、雄もひなに給餌するなど、本州のウグイスとは生態的な違いを持つハシナガウグイスも生息しています。

 島の鳥類にとって、やっかいなのはノネコです。移り住んだ人が持ち込んだネコが野生化したもので、島にすむ鳥の固有種は、それまで島にいなかった哺乳類の捕食者への警戒心が薄いとされます。生息数が少ない小笠原諸島の固有亜種で赤紫色の頭部が特徴のアカガシラカラスバト。地面で餌を探すこの幻のハトなどにとって、ノネコは大きな脅威となりました。

 また、海鳥の繁殖地である母島・南崎で2005年、ノネコがカツオドリを捕食する映像が撮影されました。それをきっかけに、地元のNPOや東京都獣医師会などがノネコの捕獲や島外への搬出などの緊急対策を実施。その後も南崎での柵の設置やノネコの飼い主探し、条例による飼いネコへのマイクロチップ装着など、ネコの適正な飼育と島本来の生態系を取り戻すための活動が続けられています。その結果、オナガミズナギドリなどの海鳥が繁殖地に戻り、確認が難しかったアカガシラカラスバトが集落周辺でも観察されるなどの成果が出ています。人が持ち込んだ捕食者からの希少な鳥の復活が始まっています。(日本野鳥の会・山本裕)=次回は9月13日掲載

 ※国際的な基準で選定された「重要野鳥生息地(IBA)」を紹介します。国内に167カ所あります。

主に見られる鳥
ハハジマメグロ

アカガシラカラスバト

ハシナガウグイス

カツオドリ

オナガミズナギドリ

https://mainichi.jp/articles/20170802/ddm/013/040/043000c

http://archive.is/BqrP8
野鳥とともに/4 天売島(北海道羽幌町) 世界最大のウトウ繁殖地【毎日新聞2017年7月5日】

posted by BNJ at 10:59 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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