2017年08月05日

15歳のニュース ペンギン目線→陸と海中では違う顔 バイオロギングでデータ収集【毎日新聞2017年8月5日】

 動物園で人気が高いペンギンは、自然界での生態がよく分かっていなかった。動物の体に小型カメラなどの機器を取り付ける「バイオロギング」という調査手法は、人が見ることのできない離(はな)れた場所でも「ペンギン目線」で、どのように生活しているのかを記録できる。明らかになってきた南極にすむペンギンの日常とは。

 ■子育て後に“回遊”■

 南極・昭和基地周辺のアデリーペンギンは毎年11月ごろに集まって卵を産み、ひなが育った翌年2月ごろに姿を消す。どこで何をしているのかは謎(なぞ)だった。

 南極地域観測隊に参加した国立極地研究所の渡辺佑基准教授(わたなべゆうきじゅんきょうじゅ)(海洋生物学専攻(せんこう))らは、2010〜11年、11〜12年、16〜17年の3シーズンにわたり、昭和基地近くにある営巣地でペンギン約20羽の頭や背中に水中カメラや加速度計などを取り付けて調査した。

 「ジオロケーター」というセンサーは、定期的に光の強弱を測って緯度(いど)と経度を推定して大まかな位置情報を得る仕組み。営巣地に戻(もど)ってきたペンギンから装置を回収して1年間の移動軌跡(きせき)を解析(かいせき)すると、約1500キロ離れた低緯度方向に移動して戻ってきたことが分かった。

 南極のペンギンは夏の時期に子育てをして、夏が終わると暖かい所を目指して“回遊”。移動の方向は海流と一致(いっち)していたという。

 ■氷が行動範囲を左右■

 陸上ではよちよち歩きのペンギンだが、水中では想像以上のスピードだった。最速で1秒間に2匹(ひき)、餌(えさ)のオキアミを捕獲(ほかく)。氷の下に張り付くように潜(ひそ)む魚に素早く食らいつく姿も捉(とら)えられた。

 氷がほとんどない中で生活することになった年は、例年に比べて広範囲(こうはんい)に泳いで餌を得ていた。通常は氷の割れ目を探してゆっくりと歩き、餌を求めて飛び込(こ)む。氷がないと、どこでも潜(もぐ)れるようになり、遠くまで泳いで餌を大量に獲得できていた。渡辺准教授は「ペンギンは飛ぶことを諦(あきら)めて水中に特化した動物。厳しい南極の環境(かんきょう)に適応している点も興味深い」と指摘(してき)している。

南極に巨大氷山 海面の上昇は?
 南極半島東側にある「ラーセンC」という棚氷(たなごおり)の一部にひびが入り、分離(ぶんり)して巨大(きょだい)な氷山になった。英国の南極調査チームが7月12日に発表した。面積は約5800平方キロで三重県ほどの大きさ、重さ1兆トン超(ちょう)の過去最大級とされる。地球温暖化との関連は分かっていない。

 南極半島を含(ふく)む西南極の沿岸部は暖かい海流が押(お)し寄せる地域で、過去にも大きな棚氷が崩(くず)れている。今回の氷山は、大陸を覆(おお)う氷床(ひょうしょう)が海に押し出された棚氷から分離したもののため、専門家は「海水面の上昇は直ちには起きない」とみている。ただ、つながっていた大陸の氷床まで不安定になって解け出すと、海水面が上昇する恐(おそ)れがある。

 西南極で氷が大きく減ったり、東南極でも海の浸食(しんしょく)を受けて氷が解け出したりすると、南極の氷は減り続け、元に戻(もど)らないのではないかと心配されている。海水面が上昇すれば、南太平洋の島国だけでなく、日本などにも影響(えいきょう)する可能性がある。
https://mainichi.jp/articles/20170805/dbg/048/040/007000c

http://archive.is/UzlWx
科学の森 「ペンギン目線」の生態調査 バイオロギングが見せる意外な姿【毎日新聞2017年7月20日】
「渡辺佑基 バイオロギングで海洋動物の真の姿に迫る」第15回 海氷の消えた南極とアデリーペンギン【ナショナルジオグラフィック日本版ニュース2017年3月13日】

posted by BNJ at 11:31 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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