2017年08月08日

美を継ぐ 上村三代 <35>ええ「相」の鳥を描きたい【読売新聞2017年8月8日】

淳之が「好きな相」だと描いた「フクロウ」(1959年、松伯美術館蔵)。連作「梟」を手がけた年の作品だ
 人相があるように、「鳥にも鳥相がある」と淳之は言う。

 大切なのは両目の間隔、目とクチバシの位置のバランスという。離れすぎてはとぼける。近づきすぎると厳しい相になる。

 トキやフラミンゴはやや離れていて、好きではない。「ええ相でなければ描きませんな」と画題にしたことがない。

 飼いならされたハトも、相に緩みがあり、動きも緩慢な気がする。「天敵から身を守りながらエサを探す厳しさが失われているということでしょう」

 気に入っているのは、マナヅルやタンチョウ。「穏やかで気高いから」と、淳之も松篁も繰り返し描いた。

 フクロウの相も好きだ。大学生のころ、スキーで行った信州の宿で飼われていた。よくなつき、主人が「貸そうか」と言ってくれたので持ち帰り、画室に放した。夜行性だから、淳之が大学から遅く帰ると、待っていたかのように飛び回った。写生しようとすると首をかしげる。警戒している仕草しぐさと分かりつつ、かわいらしくてつい話しかけた。専攻科の修了制作では「梟ふくろう」の連作に挑んだ。

 「考えている、語りかけようとしている、そんなことを想像させてくれる鳥こそがええ相なんかもしれん」

 ええ相の鳥を品位高く描きたい、と考え続けている。(敬称略)
http://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/feature/CO029414/20170807-OYTAT50017.html

http://archive.is/hs68Y
美を継ぐ 上村三代 <33>親子で「ぼん」を待った日【読売新聞2017年8月4日】
美を継ぐ 上村三代 <11>鳥と暮らし鳥と語らう【読売新聞2017年6月15日】
美を継ぐ 上村三代 <10>人生には限りがある【読売新聞2017年5月25日】
美を継ぐ 上村三代 <7>花鳥画への扉【読売新聞2017年5月21日】

posted by BNJ at 11:13 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: