2017年08月25日

【動画】ペンギンは沖でも声で集合か、初の報告 ペンギンに装着したビデオカメラで沖での発声行動を記録、ジェンツーペンギン【ナショナルジオグラフィック日本版ニュース2017年8月25日】

動画】科学者がペンギンにカメラを装着。映っていたものは?(字幕は英語です)
 南極大陸沖の冷たい海で狩りをするジェンツーペンギン(Pygoscelis papua)。彼らが水中でコミュニケーションを取る様子を科学者が研究するのは、簡単ではない。

 彼らの意思疎通を「盗み聞き」しようと、韓国極地研究所(KOPRI)や日本の国立極地研究所などのメンバーからなる研究チームは、マイク内蔵の小型ビデオカメラをペンギンに装着。その結果、有名なこの鳥の生態に関して新たな知見が得られた。研究成果は、8月17日付けの学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。(参考記事:「ペンギンカメラでついに大発見!」(動画は4ページ目)、「渡辺佑基「バイオロギングで海洋動物の真の姿に迫る」」)

 それによると、ジェンツーペンギンは集団を作るため、互いに鳴き声で呼びかけ合っているらしいことが分かった。だが、集団の正確な機能が何なのかは謎のままだ。(参考記事:「【動画】声で恋敵を特定、争い回避、ゾウアザラシ」)

 南極で2度の夏を費やした研究チームは、26羽のペンギンにカメラを装着。そのうちの10羽から、沖で鳴き声を上げた例を598回録音できた。映像を見ると、決まった鳴き声に続いてペンギンたちが一斉に同じ動きをし、水面近くを泳ぐのが分かる。

 なかには、ペンギンたちが海中に潜る前に水から出たり入ったりする様子をとらえた映像もあった。あるペンギンは低い声を何度かはっきりと発した後、海中に潜り、大きな集団に加わっていた。

 ジェンツーペンギンは通常、1日の大半を海岸近くで餌を取って過ごす。一方で、海を泳ぐ距離は最長で26キロにもなり、水深200メートル近く潜って、魚やオキアミといった餌を探すことも知られている。研究チームは、ヒョウアザラシなどの捕食者の存在を仲間に警告するために鳴き声が使われている可能性は低いと指摘する。こうした捕食動物は岸の近くに集まるのが普通だが、ジェンツーペンギンは開けた場所で鳴き声を発していたからだ。(参考記事:「ペンギン繁殖地、今世紀中に最大60%が不適に」)

 ジェンツーペンギンが水中に潜る前に発した短い鳴き声は、ケープペンギンが仲間と連絡を取り合うために出す声の一部に似ている。鳴き声の用途は他のペンギンを引きつけ、グループを作るためというのが研究チームの見方だ。さらに注目すべきことに、ペンギンが集まる場合、鳴き声が上がってから1分以内に集団が作られる例が半分近くに上った。鳴き声を発したペンギンは水中にいる時間が比較的短かったが、発声にエネルギーが必要なためとみられる。(参考記事:「【動画】ペンギンの夫と愛人の熾烈な戦い」)

 ペンギンたちがどのように情報をやり取りしているのかは、簡単には識別できなかった(マイクの位置がペンギンの背中にあり、音が明確でない部分があるため)が、研究成果は、ペンギンが互いに鳴き合って意思疎通している可能性を示している。

 論文の著者らは、ジェンツーペンギンは集団を作ることで、何らかの点で餌を捕りやすくなるのではという仮説を立てているが、それが何かはまだ解明されていない。また、鳴き声の正確な機能も不明だ。カメラの録画時間は8時間という限度がある上、水中では視界も制限されるため、ペンギン相互のやり取りを評価するのは難しかった。それでも研究チームは、同じ集団内の複数のペンギンにカメラを取り付けて、さらに調査をしたいと考えている。(参考記事:「祝!世界ペンギンの日 かわいい写真12枚」)

文=Sarah Gibbens/訳=高野夏美
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/c/082400052/

【動物行動】ペンギンにウェブカメラを持たせて沖合での発声行動を調べる【natureasia.com2017年8月18日】
Animal behaviour: Penguincam − Calls from the sea

Scientific Reports
ジェンツーペンギンに取り付けたビデオカメラで録画した外洋でのジェンツーペンギンの発声行動の内容とペンギンの鳴き声の機能的役割に関する論文が、今週掲載される。

亜南極諸島と南極地域で見つかっているジェンツーペンギン(Pygoscelis papua)は、主にオキアミと魚類を集団で捕食している。しかし、このペンギンの外洋における採餌場は簡単に近づけないため、採餌旅行の際に用いる発声レパートリーの研究が行われていなかった。

今回、Won Young Leeたちの研究グループは、南極のキングジョージ島に生息するジェンツーペンギンの2回の繁殖期(2014〜2015年、2015〜2016年)にわたる採餌行動をジェンツーペンギンに取り付けたビデオカメラで記録した。Leeたちは、これによって10個体の沖合での鳴き声(598例)を収集し、その音響特性と行動状況を分析した。その結果、そうした沖合での鳴き声の約半数で、鳴き声を発してから1分以内に集団が形成されたことが分かった。また、沖合で鳴き声を発する前後で採餌潜水の占める割合と獲物の捕獲率に有意差は見られなかった。このことは、この鳴き声が食料に関係するのではなく、仲間を呼ぶことに関係していることを示唆している可能性がある。これに対して、Leeたちは、沖合で鳴き声を発したペンギンが浅く短い潜水をして、特定の場所にとどまるのではなく、新たな場所へ移動したことを観察した。Leeたちは、ペンギンが採餌旅行の際に群れを形成するために音声コミュニケーションを利用しているという仮説を立てている。

ジェンツーペンギンの水中生活について解明を進めるためには今後も調査を続ける必要があるとLeeたちは指摘している。
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/12112

http://archive.is/BLa9B
http://archive.is/F4k1X

posted by BNJ at 11:27 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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