2017年08月20日

彩人旬人 アマチュアカメラマン 広辰司さん /三重【毎日新聞2017年8月20日】

広辰司さん
野鳥への愛に動かされ 広辰司さん(74)
 野鳥の撮影を続けて34年になるアマチュアカメラマン、広辰司さん(74)=志摩市阿児町神明=は、身近な鳥から珍鳥にいたるまで267種類をカメラに収めてきた。日本の野鳥のほぼ半数に当たるという。小柄な体に5キロあまりの機材を担ぎ、山林や河口、海辺の崖を駆けずり回る。時には、野鳥に気付かれないように張ったテントに身を潜め、ひたすらその一瞬を待つ。「わずかな気配で野鳥は飛び去る。何よりも入念な準備と忍耐が大切」と撮影の心構えを語る。【林一茂】

 広さんは40歳で本格的に撮影を始めた。リゾート法が制定されるなど、各地で大規模なリゾート開発が行われ、志摩市も例外ではなかった。「志摩は野鳥の楽園。自然が破壊されると、タカなどの猛きん類の居場所がなくなる。今、撮影しなければ」。野鳥が大好きだった広さんは、突き動かされるように撮影にのめり込んだ。

 20歳ごろに買ったカメラは、野鳥の撮影には不向きだった。暗い森の中でも撮れる600ミリの望遠レンズは100万円を超し、サラリーマンの広さんにとって大金だったが「遊びではない」と自身を納得させて購入した。現在の望遠レンズは3代目で、カメラの拡大機能と合わせると960ミリにもなる。

 休みの日には、大台ケ原でコマドリ、岐阜県の伊吹山でライチョウ、北海道ではタンチョウヅルやオオワシなどを撮影した。南伊勢町では養殖業者のはからいで、10メートルの至近距離から死んだ魚を食べるオオワシの撮影に成功した。

 撮影日誌は欠かしたことがない。デジタルに移行した2006年時点で撮影枚数は約5万6500に上っていたが「現在は(数え切れずに)『たくさん』としか言いようがない」と苦笑する。

 広さんの写真は多くのメディアに掲載された。毎日新聞(中部本社発行版)には、伊勢市に飛来した11羽のナベヅル(2008年12月3日付朝刊1面)、志摩市の無人島で子育て中のウミネコ(今年6月30日付地域面)、志摩市のため池で背に子どもを乗せ泳ぐカイツブリの親子(7月31日付地域面)が登場した。読者から「野鳥への愛にあふれた、すてきな写真」との声が相次いだ。

 野鳥の撮影に当たって広さんが心掛けてきたことがある。それは、決して鳥を驚かせない▽マナーを守り、地元住民に迷惑をかけない−−の2点。最近は「野鳥を撮影する面白さを広めたい」と、各種講座の講師となり、惜しげもなく撮影技術を伝授している。

 《メモ》

ひろ・たつし
 高い評価を受ける広さんの野鳥写真は、第1回写真集「日本の鳥1992(年)」(文一総合出版)の表紙にカワセミ、旧阿児町の広報紙にコウノトリ、伊勢市の広報紙にナベヅルが採用されるなどした。各地で開催される野鳥写真展への出品も多数。数年前から志摩半島に飛来し始めた、暖かい南方に生息する旅鳥のオオアジサシやハジロコチドリの撮影を続けている。

〔三重版〕
https://mainichi.jp/articles/20170820/ddl/k24/070/222000c

http://archive.is/nb6Qs

posted by BNJ at 22:21 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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