多(おお)くの魚(さかな)の背中(せなか)が黒(くろ)っぽくておなかが白(しろ)っぽいのはなぜ?
魚(さかな)はなぜ背(せ)が黒(くろ)く腹(はら)が白(しろ)いの?
愛知県・高橋純太(たかはしじゅんた)さん(小5)からの質問
■目立(めだ)たなくして敵(てき)から隠(かく)れるの
ののちゃん 近所(きんじょ)の用水路(ようすいろ)で魚(さかな)とりをしてきたよ。ナマズにフナにブラックバス、たくさん捕(つか)まえたんだけど、どれも背中(せなか)が黒(くろ)っぽくて、おなかが白(しろ)っぽい色(いろ)をしてたんだ。
藤原先生 おもしろいことに気(き)づいたね。色にはちゃんとした意味(いみ)がある、と言(い)われているの。体(からだ)を目立(めだ)たなくして、エサにする小魚(こざかな)や、襲(おそ)ってくる敵(てき)から隠(かく)れるためよ。
のの どうして目立たないの?
先生 上(うえ)から水(みず)の底(そこ)のほうを見下(みお)ろすと、黒っぽい色をしていることが多(おお)いでしょ。岩(いわ)とか泥(どろ)は暗(くら)い色だし、深(ふか)いところだと光(ひかり)も届(とど)きにくくなるからね。背中を上にして泳(およ)ぐ魚を上から見ると、この色にまぎれて目立ちにくいの。
のの なるほど! じゃあ、おなかが白っぽいのは?
先生 水面(すいめん)を下から見上(みあ)げると、太陽(たいよう)の光が差(さ)し込(こ)んで明(あか)るい色に見えるよね。白いおなかを下にして泳ぐ魚を下から見ると、やっぱりこの色にうまく溶(と)け込むのよ。
のの ということは、川(かわ)の魚だけじゃないんだよね?
先生 もちろん。マグロやサンマやサバ。同(おな)じような色分(わ)けになっている種類(しゅるい)は、ののちゃんがよく食(た)べる魚にもたくさんいるよ。スーパーに行(い)ったら、鮮魚(せんぎょ)売(う)り場(ば)で確(たし)かめてみるのも楽(たの)しいかもしれないね。
のの やってみる!
先生 深海(しんかい)に住(す)んでいる魚には、もうちょっと手(て)の込んだことをしている仲間(なかま)もいるよ。たとえばハダカイワシという魚は、おなかにある「発光器(はっこうき)」から青白(あおじろ)い光を出(だ)すんだけど、これは水面から届いた弱(よわ)い光に溶け込むためなの。周(まわ)りの明るさに合(あ)わせて光の量(りょう)を調節(ちょうせつ)できるとも言われているんだって。わたしがお酒(さけ)のつまみにしているホタルイカが光るのも、これと同じね。
のの ということは、魚以外(いがい)にもあてはまるルールなの?
先生 そうよ。たとえばペンギンは背中が真(ま)っ黒でおなかが白いでしょ。身(み)を隠すだけじゃなく、エサにしている魚の群(む)れを追(お)い込むとき、くっきりしたツートンカラーの体(からだ)をヒラヒラさせて脅(おど)かす、という別(べつ)の役割(やくわり)もあると言われてるけどね。
のの もしもの話(はなし)だけど、おなかを上にして泳ぐ魚がいたら、色も逆(ぎゃく)になってたりして。
先生 アフリカにいるサカサナマズという魚は、まさにそれ。上側(がわ)になるおなかは黒くて、背中のほうがもっと薄(うす)い色なのよ。
のの へー! でも、ぜんぜん違(ちが)う模様(もよう)の魚も、たくさんいるよね。
先生 南(みなみ)の海にいる魚はとくにカラフルなものが多いよね。たくさんの種類の魚が暮(く)らすサンゴ礁(しょう)では、それぞれ個性(こせい)を出すことでお互(たが)いを見分けているんじゃないか、という説(せつ)もあるらしいの。でも、はっきりした理由(りゆう)はわかっていないのよ。(取材協力=葛西臨海水族園の多田諭さん、構成=小宮山亮磨)
◇
NIE教育に新聞を www.asahi.com/edu/nie
http://www.asahi.com/articles/DA3S13100673.html
http://archive.is/NNyOq
タグ:ペンギン一般