2017年09月13日

岡山)どうする池田動物園【朝日新聞デジタル2017年9月13日】(ペンギン)

池田動物園の入り口にあるメリーがいたゾウ舎。半年以上、動物がいない状態が続いている=岡山市北区京山2丁目

 池田動物園(北区)のゾウ舎は半年以上、空っぽのままだ。「なんでゾウさんはいないの?」。子どもたちも首をかしげる。2月に園の人気者だったインドゾウのメリーが死んだが、財政難で新しいゾウを導入することができない。公営化を求める園からの要望を受け、市は対応を検討し始めた。

 国内最高齢の24歳のベンガルトラ、22歳のキリン、22歳のヒグマ……。池田動物園には高齢化した動物が目立つ。全国各地の動物園では、ガラス張りの展示施設の導入が進むが、獣舎は鉄骨のおりのままだ。

 池田動物園は1953年に旧岡山藩主池田家の故池田隆政さんが開園した民間動物園だ。来場者数は88年にジャイアントパンダがやって来た時に3カ月間で約90万人を記録したが、その後は年々減少。昨年度は12万人を切った。

 園によると入園料などの収入は、昨年度約1億3千万円。えさ代や人件費を引くと、約1千万円の赤字だった。累積赤字は約2億5千万円になるといい、施設をリニューアルしたくても財政的余裕がない。来場者の減少に歯止めがかけられない苦境に陥っている。

 「園の存続のためには公営化しかない」。有志で作る「池田動物園をおうえんする会」は昨年5月、公営化を求める署名活動をスタート。今年2月には6万7488人分の署名を市に提出した。さらに6月、園は市営化を求める要望書を大森雅夫市長に手渡した。

 大森市長は2月の定例市議会で「市民に親しまれ、子どもたちにとっても、動物との触れあいを通じて命の尊さを感じられる場所」と動物園の意義を強調。

 6月の定例会見では「会社側が将来像の検討会をするのであれば、市として議論に入ることはやぶさかではない」との見解を示したが、具体的支援については「動物園側のこれからの動きを見て、市も対応を検討する」と話すにとどめた。

■再建の道 検討会を開催へ

 全国的には公営の動物園は少なくない。

 北九州市の到津(いとうづ)の森公園。1998年に経営していた西日本鉄道が閉園を決めると、存続を求める署名が約26万人分集まった。市議会も全会一致で存続を求める方針を決め、市は4年後に約45億円で園を購入して再オープンした。

 購入資金の半分は国の補助金で負担したが「市の財政を圧迫する」との声も出た。「それでも市民も議会も『動物園をつぶしてはならない』と言ってくれた」と市の担当者は振り返る。

 維持管理費が高いカバやペンギンの展示をやめ、えさ代を市民が寄付する制度も取り入れ、この10年以上、ほぼ黒字経営だ。

 旭川市が経営する北海道・旭山動物園。園内の事務所に勤める市の職員は「人件費などを節約しているが、公営の動物園の財政は厳しい。『市民のための動物園を守っていこう』という市の方向性に助けられている」。市は特別会計から管理費を支出し、一般会計で園の赤字を補塡(ほてん)。昨年度は約3億円を補塡した。

 池田動物園をどう支援していくのか。岡山市観光コンベンション推進課の担当者は「再建方法など具体的な将来ビジョンは示されていない。今のままでは方針を決められない」と言う。

 動物園で今月4日に開かれた「おうえんする会」の定例会。副園長の忠政智登士さん(82)は「動物園は動物園なりに努力する。みなさんのお力をこれからもお貸しください」と訴えた。赤迫良一総務部長(58)は「これまでの負債は自分たちでなんとかする。ただ、園を今後50年、100年続けていくためには市の助けが必要」と語る。

 再建計画を求める市側の意向を受け、園は専門家らが参加する検討会を年内にも開く方向で調整中だ。60年以上親しまれてきた動物園の将来像をどう描くのか。議論はこれからだ。(村上友里)
http://www.asahi.com/articles/ASK983HBZK98PPZB002.html

http://archive.is/PBqpk

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: