2017年09月13日

野鳥とともに/6 やんばる(沖縄本島北部) 亜熱帯の森、固有種育む【毎日新聞2017年9月13日】

道路上を歩くヤンバルクイナ=沖縄本島北部で、フリーカメラマンの尾上和久さん撮影
 沖縄本島北部のやんばる(山原)地域。亜熱帯性気候に属し、イタジイが生い茂る照葉樹林が広がるこの森には多くの貴重な野生生物が生息しています。沖縄本島は約170万〜200万年前に地殻変動などで大陸や他の島から隔離された後、長い年月の間に島の中で独自の進化が進みました。そのため、この地域に特有の生き物(固有種)がすんでいるのです。


 中でも特筆すべき生き物は、飛べない鳥として知られるヤンバルクイナです。1981年に発見されたこの鳥は、毒ヘビのハブが生息する森に守られて、長く人目に触れることがありませんでした。やんばるにはこのほか、キツツキの仲間のノグチゲラやオキナワトゲネズミなどの固有種も生息しています。これらの固有種は、やんばるの森がなくなると絶滅する可能性があります。しかし、やんばるの森は、天然林の伐採によって固有種の生息地が減少。森の中を通る林道では、固有種が車にひかれたり、鳥のひなが側溝に落ちたりするなど、多くの脅威にさらされています。

 また、ヤンバルクイナは本来、哺乳類の捕食者がいなかったことから、空を飛べず地表で暮らしています。そのため、外来種のマングースやノネコに狙われ、大きな影響を受けています。現地では、マングースの捕獲や本島北部への侵入を防ぐために柵を設置するなどの積極的な保護策が進められ、一定の成果を上げています。また、ノネコについては、沖縄県獣医師会などが飼いネコへのマイクロチップ装着や不妊手術、ノネコの飼い主探しなどを行っています。

 こうした取り組みとともに、環境省は2016年、やんばるの森1万3622ヘクタールを「やんばる国立公園」に指定しました。また、来年夏の世界自然遺産登録に向けて、環境整備などの準備が進められています。私たちは、やんばるの森が育む多くの貴重な生き物を次の世代へ確実に引き継ぐ義務があると思います。(日本野鳥の会・山本裕)=次回は10月11日掲載

 ※国際的な基準で選定された「重要野鳥生息地(IBA)」を紹介します。国内に167カ所あります。

主に見られる鳥
ヤンバルクイナ

ノグチゲラ

ホントウアカヒゲ

アマミヤマシギ

カラスバト
https://mainichi.jp/articles/20170913/ddm/013/040/029000c

http://archive.is/wFgV7

posted by BNJ at 11:14 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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