2017年09月24日

宮崎)夜の街に響く鳥の声 その犯人は?【朝日新聞デジタル2017年9月24日】

ムクドリと思われる鳥の群れ。ワシントニアパームだけでなく、フェニックスの木にも集まる=宮崎市

 「あの音で夜も眠れない」。夜の橘通りで、苦々しげな表情の知人が見上げる先はワシントニアパーム。意識を向けると、街の騒々しさに負けない「ギャーギャー」という鳥の鳴き声が木の中から聞こえてくる。話では、ほぼ一晩中鳴き続けているという。調べてみると、そこには人と鳥との攻防の歴史があった。


 宮崎市フェニックス自然動物園の獣医師・竹田正人さんによると、鳴き声の主はムクドリ。里山、街中など広く生息する鳥だが、「近年は、外敵が少ない都市部に住むようになってきた」という。

 日中は、田んぼの土中に潜む虫や木になる果物を求めて郊外へ出る。だが、夜になると、市中心部に舞い戻り、あの「騒音」を響かせる。「バスよりも背の高いワシントニアパームを選んでいるのかも。狭い所に多くのムクドリが集まっているので、互いに威嚇し合って鳴いているのでは」と竹田さん。

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 県によると、市中心部でムクドリの大群が初めて確認されたのは2000年ごろ。橘通りや高千穂通りの歩道上のクスノキに止まり、「ふん害」や「騒音」で周辺住民や通行人を悩ますようになった。

 対策として、行政は03年、他の自治体で効果があったムクドリの「悲鳴」などをスピーカーから流したり、放水をしたりして追い払おうとした。しかし、いなくなるのは一時的だった。

 効果を上げたのは、06年ごろに取り付けた「防鳥ネット」。クスノキのほぼ全体を覆うと、ムクドリも撤退を余儀なくされた。

 しかし、その後ムクドリが現れるようになったのは高さ10メートルを超えるワシントニアパーム。国土交通省宮崎河川国道事務所の担当者は「ネットが一番効果があるが、景観に配慮してワシントニアパームに取り付けることはしない」。

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 打つ手無し……、と思われたが、攻防は小康状態に。中央分離帯に並ぶワシントニアパームにムクドリが移ったことで、歩道への「ふん害」も落ち着き、近年、県、河川国道事務所への苦情はほぼなくなった。「騒音」は依然続くが、橘通り沿いの事務所で働く50代男性は「うるさくて気になりますが、慣れてきました」と飄々(ひょうひょう)とした様子。

 今やムクドリのすみかと化したワシントニアパーム。日本野鳥の会県支部の前田幹雄・前支部長によると、9月ごろは住宅の戸袋などで子育てをしていたムクドリが、子どもと一緒に「すみか」に戻ってくる時期。「これからワシントニアパームをねぐらにするムクドリの数が増える」という。

 だが、今年5月からワシントニアパームの植え替え作業が始まった。約4メートルの苗木が植えられ、ムクドリの安息の地にも変化が起こっている。

 竹田さんは「別の所に移る可能性もあるが、ムクドリは順応性が高いので今後どうなるかは未知数」と話している。(松本真弥)
http://www.asahi.com/articles/ASK8T7TC0K8TTNAB00N.html

http://archive.is/BOMOJ

posted by BNJ at 10:45 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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