2017年10月16日

横風でも巣へ真っすぐ=海鳥の飛び方解明−東大など【時事ドットコム2017年10月16日】(既報複数)

背中にGPS装置を着けたオオミズナギドリ(東京大・大気海洋研究所の後藤佑介さん提供)
 目印のない海を飛ぶ海鳥が、目的地に真っすぐ向かえるように、横風に対して体の向きを調整していることが分かった。東京大などの研究グループが全地球測位システム(GPS)を使って分析した。論文は16日までに、米科学誌サイエンス・アドバンシーズに掲載された。

 横風を受けながら飛ぶ場合、目的地に真っすぐ向かうには風の影響を加味して斜めに進む必要がある。ただ海上は風の観測が難しく、詳細な研究は困難だった。
 東大大気海洋研究所の大学院生後藤佑介さんと佐藤克文教授らのグループは、オオミズナギドリ31羽の背中に、小型のGPS装置を装着。餌場の北海道沖から岩手県山田町・船越大島の巣に戻るまで、1分間隔で位置情報を記録し、針路と速度を調べた。
 風に向かって飛ぶ場合は速度が落ちることを利用し、一定時間のデータを分析して海上の風向きを推定。オオミズナギドリが横風に対して体の向きを変え、巣の方角に進んでいることを確かめた。
 後藤さんは「海鳥にもGPSのように、自分の位置や目的地の方角を把握する能力がある」と指摘。観察が難しい動物の行動を、別のデータから推定して解明できる可能性も示せたとしている。(2017/10/16-04:13)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101600108&g=soc

海上を飛ぶ鳥のナビゲーション能力を、経路データの解析から推定 東京大学【大学ジャーナルオンライン2017年10月7日】
 横風が吹く状況で、飛行機ならば、GPSやコンパスを使って自分の位置と目的地の方向を把握し、進路がずれないよう機体の向きを調整して横風を相殺する。一方、GPSやコンパスを持たない海鳥も同様に横風の影響を受けるはずだが、目印のない海上で一体どのようにして目的地へ辿り着いているのか、古くから関心を集めてきた。

 鳥の体軸方向と風を広範囲にわたり計測することは技術的に困難なため、この問題は謎に包まれていたが、東京大学大気海洋研究所の後藤佑介大学院生と佐藤克文教授らは、海鳥の飛行経路のデータから鳥の体軸方向と経路上の風を推定する方法を発見した。そして、この推定方法を利用して、岩手県の無人島で繁殖するオオミズナギドリが帰巣中に横風に対してどのように対処しているかを検証した。

 結果、オオミズナギドリは横風に流されないように、風が左(右)から吹くときは左(右)に体軸方向を調整していることがわかった。これは、目印がほとんど無い海上で、あたかもGPSとコンパスを持っているかのように、オオミズナギドリが自分の位置と目的地の方向を把握していることを意味する。

 本研究は、これまで知見の乏しかった海上での鳥のナビゲーション能力の有力な証拠を示したといえる。さらに、物理学や工学では馴染み深かった逆問題型アプローチ(観測された結果から逆にその原因を推定する方法)が、本研究で経路データから風と鳥の体軸方向を推定したように、バイオロギング(生物装着型記録計による測定)のデータ解析に有効であることも示した。

 今後本研究のアプローチは、風や海流の影響を受けて動く動物たちのナビゲーション戦略を明らかにするとともに、その適応進化の解明に貢献すると期待されている。

論文情報:【Science Advances】Asymmetry hidden in birds’ tracks reveals wind, heading, and orientation ability over the ocean
http://univ-journal.jp/16166/

渡り鳥、巧みに風にのって GPSのような能力を利用【朝日新聞デジタル2017年9月28日】
オオミズナギドリ(東京大学大気海洋研究所提供)

 渡り鳥のオオミズナギドリが、GPS(全地球測位システム)を内蔵しているかのように自分の位置を把握している可能性があることが東京大と名古屋大の研究でわかった。目印のない海上でも横風に流されず目的地までほぼ正確に飛んでいるという。27日付の米科学誌に論文が掲載された。

 横風を受けながら真っすぐ飛ぶには、目的地の方向と風向や風速を考慮し、体の向きを調整しながら飛ぶ必要がある。

 東京大大学院生の後藤佑介さんらは、岩手県山田町の船越大島に営巣するオオミズナギドリが、北海道沖まで最長500キロの餌探しの旅に出ることに着目。31羽の背中にGPS装置をつけ、巣に戻る際の飛行記録と気象庁の風のデータをあわせて分析すると、鳥がその時々の横風の方向に体を傾けて風の影響をなくし、ほぼ真っすぐに飛んでいたことがわかった。

 後藤さんらは、この鳥がGPSのような位置把握の能力を利用していると推察。越冬のため東南アジアや豪州沖に渡る際にもこの力を使っていると考えられるという。海鳥はにおいで方角や自分の位置情報を得ているとの説があるが研究途上という。

 後藤さんは「調査で沖に出ると私たちは自分がどこにいるかわからない。オオミズナギドリの能力に驚いた」と話している。

 論文は「Science Advances」のサイト「http://advances.sciencemag.org/content/3/9/e1700097別ウインドウで開きます」に掲載された。(竹野内崇宏)
http://www.asahi.com/articles/ASK9W6SZFK9WUBQU02G.html

http://archive.is/dKBOX
http://archive.is/VeTcG
http://archive.is/U2ov1
{知る}生物の「空の羅針盤」探る 計測装置やAI 飛行データ収集、解析【読売新聞2017年9月23日】

posted by BNJ at 21:34 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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