2017年10月03日

ふれる技 東海 カツオ風味 顆粒に凝縮 味の素東海事業所 (三重県四日市市)【読売新聞2017年10月3日】(野鳥を観察する「バードサンクチュアリ」)

コンベヤーで破砕機に運ばれていくカツオ節
 カツオ節がコンベヤーで運ばれていく。調味料「ほんだし」を製造する味の素東海事業所。「主原料のカツオ節は静岡県焼津港と鹿児島県枕崎港で水揚げされたカツオを使っています」「いぶし方が異なる3種類のカツオ節を細かく砕き、粉状の節粉にしてブレンドします」。前処理工場でカツオ節が破砕機に流れていくのを見ながら、女性スタッフの説明に耳を傾けた。

 見学コースのガラスケースには、いぶし方が浅いものから深いものまで3種類のカツオ節が展示されており、色の濃さがそれぞれ違う。いぶし方によって味や香りはまろやかになったり、強くなったりする。専門店の職人がナラ材を使い、いぶし分けているという。

 東海事業所は多い時には1日に1万本以上、味の素全体では国内生産量の1割に上るカツオ節をほんだしに使っている。その市場占有率は6割近くを占める。

 味の素は甘味、苦味、酸味といった五つの基本味のひとつ、うま味を利かせる調味料「味の素」を1909年(明治42年)に発売して以来、調味料を中心に手がけて食卓に送り出してきた。

 ほんだしが発売された70年は、簡単に調理できる冷凍食品が普及しつつあった時代。「使いやすいカツオだし」を目指し、当初、うま味の強い「ハイミー」にカツオ節の香りを付ける研究を進めた。だが、商品化には至らず、カツオ節をそのまま使う商品開発に切り替える。その頃、他社がカツオ節の粉末調味料を売り出しており、好評だったが、粉末は吸湿性が高く、固まりやすいといった欠点があった。

 このため、香りを閉じ込め、湿気から守る顆粒にすることに決定。当時、ノウハウは確立されていなかったが、蓄積してきた技術を応用するなどして1年かけ、独自の製法を開発した。商品名には「本当のだし。将来、だしといえば、ほんだしと言われたい」との期待を込めたといい、こうして看板商品が誕生した。

 造粒工場に入ると、カツオ節の香りが広がっていた。前処理工場で細かく砕かれた節粉に、ここでカツオの煮汁や調味料などを混ぜて練る。

 ガラス越しにのぞくと、小さな穴が無数にある造粒機から、そばのように細長くなって押し出されてくるのが見えた。徐々に切れ、顆粒に仕上げていくという。この後、乾燥させ、ふるい分けして直径1ミリほどの大きさにそろえる。

カツオ節削りの体験もある(三重県四日市市の味の素東海事業所で)=いずれも中村光一撮影
カツオ節削りの体験もある(三重県四日市市の味の素東海事業所で)=いずれも中村光一撮影
 見学を終えると、カツオ節を削る体験があった。かつて我が家でも削っていたことを思い起こしながら、参加者が挑戦するのを眺める。製造部調味料課長の伊藤孝司さん(52)は「こうして手間をかけてだしを取っていたことを体感してもらっています。ほんだしは調理時間を短縮しましたが、さらに本来のだしの風味、味わいに近づけていきたいですね」と話した。

 最後に、ほんだしを米飯に混ぜたおにぎりを試食した。再現された素朴なカツオ風味が懐かしかった。(編集委員 荒川盛也)

【味の素東海事業所】(三重県四日市市日永1730、電話059・346・0153) 工場見学は「ほんだし」と、野鳥を観察する「バードサンクチュアリ」の2コース。ともに所要時間は90分で無料。見学の問い合わせ・申し込みは電話(平日0120・170・153)で。近鉄名古屋線海山道駅から徒歩10分、東名阪自動車道四日市東インターチェンジ(IC)、伊勢湾岸自動車道みえ川越ICから各約40分。
http://www.yomiuri.co.jp/chubu/feature/CO028611/20171002-OYTAT50022.html

http://archive.is/9eNM7

posted by BNJ at 11:08 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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