2017年11月08日

野鳥とともに/8 琵琶湖(滋賀県) 人と共存しつつ自然回復【毎日新聞2017年11月8日】

黒い冠羽と、頬の橙赤(とうせき)色が目立つ夏羽のカンムリカイツブリ=滋賀県の琵琶湖で、アルパインツアー・石田光史さん撮影
 琵琶湖は、滋賀県にある日本最大の湖です。面積は670平方キロあり、近畿地方の約1400万人が利用している貴重な水がめです。もともとは約400万年前の地殻変動で三重県北西部にできた陥没が、長い間に大きさや場所を変えながら北に移動し、現在の位置になったのは約40万年前のことです。

 広大な湖と湖岸、流入する河川の河口や、内湖(湖につながる小さく浅い沼)には多様な環境があり、多くの動物や植物が生息しています。これまでに約1100種類の動植物が確認され、固有種はビワコオオナマズなど61種にもなります。野鳥の重要な生息地でもあり、特に冬には10万羽を超える水鳥がこの湖で過ごします。1993年には国際的に重要な湿地として、ラムサール条約に登録されました。中でも多いのはキンクロハジロやホシハジロなどのカモ類です。琵琶湖とその周辺を、繁殖や採餌などに利用する鳥は、最近40年間で約180種を数え、絶滅のおそれのあるサンカノゴイのほか、ヨシゴイ、オオヨシキリなどの夏鳥、黒い冠羽が特徴のカンムリカイツブリが周囲のヨシ原で繁殖しています。

 一方で、湖の周囲には多くの人が居住し、生活していることから、60年代以降、農薬や生活排水などにより水質が悪化。赤潮が発生するなど社会問題にもなりました。そこで、赤潮の原因となる合成洗剤の使用をやめ、粉せっけんを使おうという取り組み「石けん運動」や、公共下水道などの社会基盤の整備が進められ、水質は回復しつつあります。近年は、オオクチバスなどの外来魚や湖岸に生い茂る外来植物が琵琶湖固有の生態系への脅威となり、その対策が取られています。

 官民の連携による水質改善や外来種の駆除、ヨシ原の復元など、琵琶湖本来の自然を取り戻すための活動が今も進められています。野鳥と人が共存する豊かな湖を将来につないでいきたいものです。(日本野鳥の会・山本裕)=次回は12月6日掲載

 ※国際的な基準で選定された「重要野鳥生息地(IBA)」を紹介します。国内に167カ所あります。

主に見られる鳥
カンムリカイツブリ

ホシハジロ

キンクロハジロ

ヨシガモ

オオヒシクイ
https://mainichi.jp/articles/20171108/ddm/013/040/014000c

http://archive.is/zn5Es
野鳥とともに/7 出水・高尾野(鹿児島県) ツル越冬、地分散の試み【毎日新聞2017年10月11日】

posted by BNJ at 11:47 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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