2017年11月19日

朝日新聞による野生フクロウの「救護」報道について【報道の検証2017年11月19日】

奈良)フクロウの落とし物… 野生だった【朝日新聞デジタル2016年11月5日】
香芝署に届けられたフクロウ=10月、香芝市畑2丁目

 先月、奈良県広陵町の道ばたで弱ったフクロウが見つかり、香芝署に届けられた。拾い主も署も戸惑った「珍客」。ペットかと思いきや……。

 「ほんまに?」
 先月13日の朝、広陵町みささぎ台の阿部勉さん(63)は、犬の散歩から帰った次女(26)に、思わずこう聞き返した。近くの道ばたにフクロウがいたと聞かされたからだ。
 見に行くと、道路脇の溝にうずくまるフクロウが。動物園やペットショップ以外で見たのは初めてだった。「ペットが逃げたのかな」

 両手で抱えて自宅に連れて帰ったが、弱っており、水をあげても飲まない。昼ごろ香芝署へ運び、拾得届を出して飼い主を探してもらうことに。

 署内で拾得物を担当するのは会計課。職員から「かわいい」「飼ってみたい」という声があがったが、体長40センチの体を丸くし、ぐったりしている。五島真紀課長(51)らがえさなどをインターネットで調べたが、よくわからない。結局、「フクロウカフェわたわた」(奈良市)のオーナー脇田和行さん(52)に来てもらった。

 脇田さんに見てもらって国内に生息する「ウラルアウル」と判明した。爪やくちばしの伸び方から「野生だと思います」と脇田さん。「このあたりにフクロウがいるの?」。課内に驚きが広がった。

 動物病院に入院させ、4日かかってやっと立ち上がれた。最後は県の鳥獣対策係が引き取り、葛城市内の山林に放した。あっというまに山へ消えたという。脇田さんは「人の縁がつながり、最後は森に帰れた。幸運でしたね」と話した。(市野塊)
http://www.asahi.com/articles/ASJBZ55ZZJBZPOMB007.html
http://archive.is/iEOKG

どうしたフクロウ、道端でぐったり 住民ら救出リレー【朝日新聞デジタル2016年11月5日】
香芝署に届けられたフクロウ=10月、香芝市畑2丁目

 先月、奈良県広陵町の道ばたで弱ったフクロウが見つかり、香芝署に届けられた。拾い主も署も戸惑った「珍客」。ペットかと思いきや……。

 「ほんまに?」
 先月13日の朝、広陵町みささぎ台の阿部勉さん(63)は、犬の散歩から帰った次女(26)に、思わずこう聞き返した。近くの道ばたにフクロウがいたと聞かされたからだ。
 見に行くと、道路脇の溝にうずくまるフクロウが。動物園やペットショップ以外で見たのは初めてだった。「ペットが逃げたのかな」

 両手で抱えて自宅に連れて帰ったが、弱っており、水をあげても飲まない。昼ごろ香芝署へ運び、拾得届を出して飼い主を探してもらうことに。

 署内で拾得物を担当するのは会計課。職員から「かわいい」「飼ってみたい」という声があがったが、体長40センチの体を丸くし、ぐったりしている。五島真紀課長(51)らがえさなどをインターネットで調べたが、よくわからない。結局、「フクロウカフェわたわた」(奈良市)のオーナー脇田和行さん(52)に来てもらった。

 脇田さんに見てもらって国内に生息する「ウラルアウル」と判明した。爪やくちばしの伸び方から「野生だと思います」と脇田さん。「このあたりにフクロウがいるの?」。課内に驚きが広がった。

 動物病院に入院させ、4日かかってやっと立ち上がれた。最後は県の鳥獣対策係が引き取り、葛城市内の山林に放した。あっというまに山へ消えたという。脇田さんは「人の縁がつながり、最後は森に帰れた。幸運でしたね」と話した。(市野塊)
http://www.asahi.com/articles/ASJBZ55ZZJBZPOMB007.html
http://archive.is/PC7pI


「奈良)フクロウの落とし物… 野生だった」という記事タイトルが、翌日付けで「どうしたフクロウ、道端でぐったり 住民ら救出リレー」に改変されている。そのことについての告知はない。
本件は「誤認救護」が疑われる例であり、当初のタイトルでは住民の行動に非があるような印象を与えるため、住民側への配慮で変更したようにも見える。
朝日新聞デジタルではこのように、記事タイトルや本文を告知なく書き換える例が多数報告されている。
記事から受ける印象が大きく変わる例も多く、このような報道姿勢は問題である。

「誤認救護」とは、自然状態にある野生の鳥獣を相応の理由もなく捕獲してしまう行為。
巣立ち後間もないまだ飛べない幼鳥などを、離れたところにいる親鳥が見守っているにも関わらず、「善意」から「救護」してしまう例が多い。
春の巣立ちの季節には日本野鳥の会などが「 ヒナを拾わないで!!キャンペーン」を行っている。
野鳥の子そだて応援キャンペーン
『ヒナとの関わり方がわかるハンドブック』をご活用ください
落ちているヒナに遭遇した時の対応の仕方がわかる冊子を作りました。子どもでも楽しんで理解できるよう、野鳥の子育ての話やクイズも掲載しています。
お子様にも楽しんでいただけるように、ヒナと出会う場面ごとの対処方法とともに、野鳥の子育ての話やクイズも掲載しました。ご希望の方には無料でプレゼントいたします。
http://www.wbsj.org/activity/spread-and-education/hina-can/


交通事故やガラスへの衝突など人為による怪我の場合は別として、野生下における野生動物の生き死には自然のまま見守るのが適切である。
鳥獣保護法でも野鳥の捕獲、飼育は原則として禁じられている。
 ※「狩猟鳥獣の捕獲」や「捕獲等の特別許可(傷病個体の一時的な保護も含む)」は一部可能だが関係法令に則る必要がある。

市の会計課が県の野生鳥獣関係の部署ではなく愛玩動物を商用に取り扱う「フクロウカフェ」の人物に問い合わせたり、市職員の「かわいい」「飼ってみたい」という野生鳥獣の飼育を是認するかのような発言をするなど、関係諸氏の言動にも多くの問題があり、それを肯定的に書くこの記事もまた問題である。
野生鳥獣に対する安易な対応を美談のように書く報道はしばしば見られる。
正しい見識に基づいた報道を求めたい。

posted by BNJ at 10:37 | Comment(0) | 報道の検証 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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