2017年12月06日

野鳥とともに/9 宍道湖(島根県) 間近に見られるコハクチョウ【毎日新聞2017年12月6日】

収穫後の田んぼで二番穂をついばむコハクチョウ=島根県出雲市で、フリーカメラマンの尾上和久さん撮影

 宍道湖は、島根県北東部に広がる面積79平方キロ、周囲47キロの汽水湖です。全国一の漁獲量を誇るヤマトシジミをはじめ、シラウオ、ウナギなど豊かな水産資源に恵まれ、その恵みを私たちは受け取っています。

 隣接する中海と並んで国際的に重要な湿地としてラムサール条約湿地となったのは、2005年のことです。西日本有数の水鳥の越冬地で、毎年、約20種、3万羽を超える水鳥がこの湖で冬を過ごします。中でも多いのはカモの仲間のキンクロハジロとスズガモで、ともに約1万羽が湖面で餌を取ったり、羽を休めたりする姿を見ることができます。また、タカの仲間のミサゴがホバリング(停空飛翔(ひしょう))をしながら、ボラなどを狙う様子や、オオタカ、まれにオジロワシを見ることもあります。春と秋には渡りの途中のシギやチドリの仲間が立ち寄ります。

 湖の西側には中国山地を水源とする斐伊川(ひいかわ)が流れ込んでおり、その河口周辺に広がる田んぼでは、落ち穂や二番穂をついばむコハクチョウを間近に見ることができます。コハクチョウは800羽を超える年もあり、集団越冬地の南限となっています。この他にマガン約3000羽やヒシクイも観察できます。冬の斐伊川河口は風がとても強く、十分な防寒対策が必要ですが、じっくりと野鳥を観察できる好ポイントです。

 一方で、今冬は懸念されることがあります。11月には高病原性鳥インフルエンザが発生し、キンクロハジロやユリカモメなどからウイルスが検出されています。多くの水鳥が冬を過ごすこの湖での感染拡大がとても心配です。鳥インフルエンザは、本来、鳥がかかる病気で、感染した鳥と濃密な接触をしない限り、私たち人間に感染することはありません。しかし訪れた際には、野鳥のふんがあるような水辺には近づかず、移動する時には靴底を消毒するなど、他の地域に拡散しないよう十分配慮し、見守っていくことが大切です。(日本野鳥の会・山本裕)=次回は1月10日掲載

 ※国際的な基準で選定された「重要野鳥生息地(IBA)」を紹介します。国内に167カ所あります。

主に見られる鳥
キンクロハジロ

スズガモ

マガモ

コハクチョウ

マガン
https://mainichi.jp/articles/20171206/ddm/013/040/029000c

http://archive.is/YxePG
野鳥とともに/8 琵琶湖(滋賀県) 人と共存しつつ自然回復【毎日新聞2017年11月8日】

posted by BNJ at 11:19 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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