2017年12月10日

石川 バードストライク防げ ドローンを飛ばして 滑走路の鳥追い払う【中日新聞2017年12月10日】

滑走路周辺の鳥を追い払うために飛び立つドローン=石川県輪島市で

 航空機が鳥と衝突する「バードストライク」を減らそうと、能登空港(石川県輪島市)でドローンを活用した全国初の実験が進んでいる。滑走路周辺を飛行パトロールしながら鳥を追い払う先進的な取り組みだ。全国の空港関係者も実験の行方に熱い視線を送っている。(武藤周吉)

能登空港、全国初の試み

 ブイーン−。能登空港の滑走路脇の上空をドローンがプロペラの回転音を立てながら猛スピードで蛇行する。草むらに潜んでいた鳥は一斉に飛び立ち、一目散に逃げていった。

 「ドローンから音楽を流したり光を出したりと細工をして、最も効果的な手法を探っています」。空港のバードストライク対策に協力している日本航空大学校の野村誠教員は、こう説明する。

 実験のドローンは最大速度七十キロ。高度百五十メートルまで到達でき、鳥の至近距離まで迫れる。滑走路周辺にとどまる鳥を追いかけて完全に追い出し、複雑な動きや細工で鳥の慣れを防ぐこともできるという。

 ドローン活用のアイデアは昨年五月、航空測量でドローンを飛ばした際に、敷地内の鳥が飛び立っていくのを空港職員が偶然目にしたことがきっかけだった。航空法の許可を取得して試行し、今年三月から本格的な実験に乗りだした。

 能登空港は周囲を山に囲まれる自然豊かな立地で、小型から大型まで多種の鳥が滑走路周辺に現れる。鳥衝突事案は年間二〜九件で推移しており、対策に頭を悩ませてきた。定期便が午前、午後の二往復に限られるため、時間的余裕から実験環境にも適している。

 ただ、ドローンの操縦者は日本航空大学校に頼っているのが現状で、専従職員は置いていない。鳥の生態を含めた分析も進んでおらず、今後は専門家を交えた検証が必要だ。発着頻度の高い空港では応用しづらいという課題もある。

 国土交通省や空港管理者の会合でドローンの取り組みを発表したところ、視察や電話での問い合わせが相次ぎ、関係者の高い関心を集めている。能登空港管理事務所の西本光弘所長は「実用化にはまだまだ課題が多いが、データを蓄積して分析につなげ、息の長い取り組みで成果を出していきたい」と語る。

離着陸時、件数最も多く

 バードストライクは全国的な課題だ。国交省によると、二〇一六年の鳥衝突事案は年間千六百件を超え、ニアミスも六百件以上報告されている。そのうち航空機の損傷につながった事案は四十件で、飛行計画の変更を迫られたケースもある。小さな鳥でもエンジンやプロペラなどに巻き込まれると重大事故につながりかねない。米ニューヨークのハドソン川に旅客機が不時着し、乗員乗客全員が生還した「ハドソン川の奇跡」もバードストライクが原因だった。

 衝突事案の大半は離着陸時に発生しており、全国各地の空港は対策を迫られている。

 国交省は車などで定期巡回して銃器や音響で鳥を追い払う「バードパトロール」が効果的なほか、草刈りなど空港管理も重要だと指摘している。鳥が対策に慣れてしまわないよう知恵比べが続いており、鷹匠(たかじょう)や猟犬を用いるユニークな試みも登場。海外にはタカ型のドローンを導入した事例もあるという。
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20171210/CK2017121002000026.html

https://megalodon.jp/2017-1210-2027-35/www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20171210/CK2017121002000026.html

posted by BNJ at 20:28 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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