2017年12月14日

ヘドロで汚濁の運河、水生生物の力で再生 兵庫・尼崎【朝日新聞デジタル2017年12月14日】

干潟に生息する小魚を狙うカワセミ=兵庫県尼崎市道意町6丁目(徳島大学環境防災研究センター提供)

 工場排水などで水質汚濁が進んでいた兵庫県尼崎市の阪神工業地帯にある運河で、徳島大学と地元住民らが協力し、人工干潟を改良するなどの再生に取り組んだところ、浄化が進み、清流を好むカワセミの姿も見られるようになった。運河を楽しむイベントも増えており、地域交流の拠点としてよみがえってきている。

 兵庫県などによると、運河の原形は農業を支えた水利施設で、縦横に6・9キロある。しかし、大正時代以降、工場排水などが流れ込み、水門などで海から閉ざされているため、深い場所にはヘドロや重金属類がたまっている。

 このため、県は2012年3月、運河の一つの北堀運河(道意町6丁目)に水質浄化施設を建設。水生生物を活用した運河の水質改善は世界初の試みで、徳島大学の山中亮一講師や上月康則教授が共同で研究に参加した。

 施設は長さ約35メートル、幅約10メートル。毎分50リットルの水を吸い上げる。最初の水槽「貝の部屋」には水の濁りの原因となるプランクトンを食べる二枚貝のコウロエンカワヒバリガイを付着させた網を沈めた。続く「藻の廊下」では藻が過剰な栄養分を吸収し、酸素を供給。さらに最下流には約80平方メートルの干潟が広がっている。

 ログイン前の続き運河で自然体験教室を開く尼崎運河○○(まるまる)クラブ代表の中岡禎雄さん(52)=同県西宮市=は尼崎市内の中学教諭だった約10年前から生徒を引き連れ、再生活動に携わってきた。今回の取り組みでも子供たちと繁殖し過ぎた貝や藻を堆肥(たいひ)にし、学校でジャガイモを栽培したり、運河のほとりでヒマワリを育てたりしてきた。

 浄化施設は効果を上げ、今では干潟周辺の生物多様性が進み、メダカやウナギも確認されるようになった。カモの一種のホシハジロも100羽以上集まった。運河を活用した催しも増え、ボートに立ち乗りしてパドルをこぐSUP(スタンドアップパドルボード)の体験会も開かれた。

 中岡さんは「尼崎運河と言えば、『汚い・危ない・行ったらいかん』の3拍子。ヘドロからポコポコと泡が出ているのを見て、このままほっといたらいかんやろと思った。発展を支えた運河に恩返ししたいという気持ちで取り組んできた」と振り返り、「安心して楽しめる場所になってきた。貝や藻といった小さな生物を扱う活動がいろんな命につながってきた」と喜ぶ。

 干潟再生を卒業研究のテーマにした徳島大学4年の藍沢夏美さん(22)は子供たちと干潟づくりに励んできた。今年8月には県と合同で干潟にカメラを設置したところ、カワセミが魚を狙う姿の撮影に成功した。「すごく汚いなというのが運河の第一印象だった。干潟づくりで子どもたちがオタマジャクシを初めて見たり、触ったりしたことに自然豊かな土地で育った自分とのギャップを感じる。もっと多くの生き物がすみ、子どもたちがもっと遊べる運河にしたい」。指導する山中講師は「人工干潟は様々な鳥類が飛来しており、生態系に利用されているといえる」と話す。(鈴木智之)
http://www.asahi.com/articles/ASKCF51QXKCFPUTB00G.html

http://archive.is/FlM2J

posted by BNJ at 21:48 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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