2018年01月23日

琵琶湖のカイツブリ、ヨシ帯なくても樹木で営巣 県民調査で判明【京都新聞2018年1月23日】(既報1ソース)

カイツブリの親子。ひなが親の背に乗っている(フィールドレポーターの井野勝行さん撮影)
 滋賀の県鳥として琵琶湖で親しまれているカイツブリは、営巣に適したヨシ帯のないところでも、樹木を巧みに利用して繁殖している−。県立琵琶湖博物館(草津市)に登録する県民の調査で、たくましく生きる県鳥の姿が明らかになった。琵琶湖だけでなく、内陸部の池沼にも幅広く生息しており、足を使った調査で興味深い事実が新たに判明した。

 同博物館は1997年からフィールドレポーターと呼ぶ県民調査員がさまざまな調査を実施。カイツブリは県のレッドデータブック2015年版で希少種とされている。今回は、データが多い冬の生息地や生息数に対し、未解明な点が多い夏の繁殖について調べた。期間は昨年4〜8月で、約200人いるレポーターに調査票を郵送。任意の場所で調べた23人から381件が返送されてきた。

 その結果、カイツブリを見たとしたのが218件あり、湖岸周辺から内陸部まで幅広く分布していることが分かった。また、ヨシ帯が小さいほど生息する割合は低く、成育にはヨシ帯の面積が重要であることが確認できた。

 一方、ヨシ帯がない場所の約4割にも生息していることが新たに判明。巣は31件で観察され、樹木の枯れ枝が水面下まで垂れ下がっている場所で最も多く見つかった。

 同博物館は「ヨシ帯以外の場所を積極利用していることが推察された。造巣場所には安全に過ごせる所を選んでいるはずで、ヨシ帯減少によって適地を見つけ、利用しているかもしれない」と分析している。
http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20180123000033

カイツブリ 意外な営巣地【読売新聞2018年1月23日】
琵琶湖以外で多く確認されたカイツブリ=県立琵琶湖博物館提供

 ◇ヨシ群落以外の池沼

 ◇琵琶博調査 環境変化 内陸部で繁殖

 琵琶湖を代表する県鳥の水鳥・カイツブリが、ヨシ群落以外の池沼や河川などでも営巣することが、県立琵琶湖博物館(草津市)のフィールドレポーターの調査でわかった。同館は「意外な結果」とし、「環境が変化し湖岸がすみにくくなり、別の場所で生き延びている状況がうかがえる」と指摘する。(生田ちひろ)

 カイツブリは「鳰にお」の古名があり、湖岸で数多く飛び交う様子から琵琶湖は「におのうみ」とも呼ばれた。主にヨシ群落に巣を作るが、開発でヨシが減るなどし、現在は500羽程度に減少。県のレッドデータブックで希少種に指定されている。

 冬の調査はあるが、繁殖期にあたる夏の生息状況が不明だったことから、2017年4〜8月、フィールドレポーター23人が調査を実施した。


 全市町286地点のうち、琵琶湖26地点と、河川やため池、内湖など内陸部119地点の計145地点で566羽が見つかった。うち琵琶湖で確認できたのは132羽で約2割に過ぎず、池沼65地点(232羽)や河川水路33地点(103羽)など内陸部で多く観察された。

 また、巣が確認されたのは31地点だった。一番多かったのは樹木の枝が垂れた場所が10地点で、続いて水面を覆う水草の上が6地点だった。残りはヨシ群落などだった。亀田佳代子学芸員は「内陸部でも卵や身を隠せそうな場所が、重要な繁殖場所になっていることがわかる」とする。

 同レポーターの前田雅子さん(65)は「身近でかわいい鳥なので『カイツブリに会いに行こう』を合言葉に調査してみたら、様々な環境でけなげに子育てしている姿が観察された。まだ分からないことも多く、今後も検証したい」と話している。

 県は2020年に改訂するレッドデータブックに結果を反映する方針。調査は同博物館ホームページに掲載している。
http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20180122-OYTNT50431.html

カイツブリ 鳰海離れ? 琵琶湖から内陸へ 子育てに波高く【毎日新聞2018年1月19日】
琵琶湖から離れた滋賀県甲賀市の池で観察されたカイツブリとひな=滋賀県立琵琶湖博物館フィールドレポーターの井野勝行さん撮影
 琵琶湖を代表する野鳥のカイツブリが激減していることを受け、市民らが滋賀県内を大規模に調査したところ、春から夏の繁殖期に琵琶湖から離れた池などで営巣・子育てをする姿が多数確認された。研究者は、琵琶湖の環境が悪化し、カイツブリが繁殖しにくくなっている可能性を指摘している。【大原一城】

 カイツブリは滋賀県の「県鳥」で琵琶湖のシンボルとも言える水鳥。「鳰(にお)」の別名があり、平安時代の文学作品などで琵琶湖は「鳰海(におのうみ)」と称された。1980年代には2000羽超がいたが、近年は500羽前後に減っているとされ、県が希少種に指定している。

レポーターたちによるカイツブリの観察会=津田國史さん撮影
 今回の調査は県立琵琶湖博物館(同県草津市)と連携するフィールドレポーター(市民調査員)23人が実施。つがいで繁殖する4〜8月、琵琶湖や河川、池沼などを巡って目視で数え、286地点のうち145地点で計566羽を確認した。このうち約130羽は琵琶湖で確認されたが、その3倍以上の432羽が琵琶湖以外の内陸部だった。県南東部に多く、琵琶湖から南に20キロ以上離れた池沼などでも観察された。

2017年の繁殖期調査でカイツブリが確認された地点
 県が毎冬に実施する調査では琵琶湖周辺での確認が多く、今回の調査は逆の結果になった。冬は群れを形成するなど生態が変わることに加え、調査の手法や着眼点の違いも影響した可能性がある。

 水鳥に詳しい同博物館の亀田佳代子総括学芸員によると、琵琶湖でのカイツブリ減少の原因として、護岸整備や営巣地となるヨシ帯の減少、水質変化やヒナを襲う外来魚など外敵の増加が指摘されている。今回の調査でも大津市街地の湖岸では約10キロにわたって全く確認できなかった。亀田学芸員は「環境の良くない琵琶湖沿岸から移動している可能性がある。内陸部が重要な繁殖場所になっているようだ」と分析する。

 今回の調査で、これまで通説だったヨシ帯付近だけでなく、ヤナギなど垂れた枝の下での子育てを好むことも判明した。調査の中心になった大津市の主婦、前田雅子さん(65)は「かわいらしいが賢い生き物なので、何とか環境に適応しているのでは」と話している。

 ■ことば

カイツブリ
 成鳥は全長25〜26センチ。体は茶褐色で、日本に生息する種類は黄色い虹彩が特徴。潜水が得意で小魚などを食べる。アフリカ大陸、ユーラシア大陸、アジアの中緯度以南に広く分布する。多くは留鳥だが北方の個体は移動する。国内でも全国に分布するが、琵琶湖は歴史的に知られた生息地。東京や滋賀など複数の都府県で「希少種」「保護生物」などに指定されている。
https://mainichi.jp/articles/20180119/ddf/041/040/015000c

http://archive.is/XjoQ2
http://archive.is/aV0ve
http://archive.is/sXYLn

posted by BNJ at 11:18 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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