2018年01月24日

【東京】大森海岸の変貌見つめ 大田生まれの画家、区内で29作品展示【東京新聞2018年1月24日】

雪がやみ1羽のキジが悠然と歩む「初雪」

 大田区で生まれ育ち、変わりゆく大森海岸に着想した日本画家、堀越保二さん(79)の作品展「堀越保二(やすじ) 野鳥と自然をみつめて」が区立郷土博物館で開かれている。魚や鳥の息遣いや季節のうつろい、流れ着いたセルロイド人形…。変貌する埋め立て地を見つめる優しいまなざしが29作品から伝わってくる。 (原尚子)
 「風土が育んだ画家の浪漫的で超現実の作風を多くの人に触れてほしい」と藤塚悦司・同館学芸員。海辺の湿地帯に横たわるカラスの死骸と周辺に芽吹く草花を描いた「此岸(しがん)にて」(六七年)や、渡り鳥の水面の揺らぎを表現した「水辺の色」(七七年)など、写実と幻影を組み合わせた作品が多く、「初雪」(八一年)は雪中を歩む気高いキジを描いた大作だ。
 堀越さんは一九三九年、当時の大森区入新井(現大田区大森北)で生まれ、埋め立て前の大森海岸近くで育ち、ノリの養殖や海水浴、潮干狩りに親しんだ。東京芸大の日本画専攻に進学し六三年、卒業制作の取材で久しぶりに海岸を訪れた際、埋め立てでゴミの山と化した姿に衝撃を受けた。
カラスの死から自然界の営みを表現した「此岸にて」

 その後、埋め立て地に通って鳥や植物、水辺の風景をスケッチするようになる。高度成長期で埋め立てが加速する中にも、渡り鳥の営巣など人工の地に自然がよみがえってきていることを知り、仲間と「大井埋立自然観察会」を設立した。生態系の保存を都に陳情するなどしたことが、七八年の「大井第七埠頭(ふとう)公園」と、同園を二六・六ヘクタールに拡大した八九年「東京港野鳥公園」のオープンにつながった。
 藤塚学芸員は「埋め立ての事実を芸術に昇華し、それが科学的な裏付けにもなった。地域にとって大切な功績」と語る。堀越さんは「ずっと自然や生き物を描いてきたので、その一端を見てもらえれば」と話しているという。
 三月四日まで。午前九時〜午後五時。祝日以外の月曜休館。無料。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201801/CK2018012402000115.html

http://archive.is/jtPjo

posted by BNJ at 11:00 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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