2018年02月07日

野鳥とともに/11 風蓮湖・温根沼(北海道) シカ食害、生態系に影響【毎日新聞2018年2月7日】

風蓮湖の上空を舞う冬の使者・オオワシ=北海道根室市で、アルパインツアーサービス・石田光史さん撮影

湖沼の周囲の網かけ部分は、鳥獣保護区、道立自然公園、ラムサール条約登録湿地
 「風蓮湖・温根沼(おんねとう)」(約6300ヘクタール)は、ともに根室半島のつけ根にある汽水湖です。風蓮湖は、知床方面からの沿岸流によって砂が運ばれて根室湾の一部が閉ざされてできた湖で、その南東にオンネベツ川が流れ込む温根沼があります。風蓮湖周辺には、湿原と草原、干潟、森林など多様な自然環境があり、ラムサール条約や国・道の鳥獣保護区、道立自然公園に指定されています。風蓮湖と春国岱(しゅんくにたい)では、タンチョウやクマゲラなどの絶滅危惧種を含め約340種もの野鳥が観察されています。春と秋に日本を通過する渡り鳥の主要な通り道でもあり、約2万羽のガン・カモ類やシギ・チドリ類が羽を休めています。

 初夏の風蓮湖はとてもにぎやかです。ハマナスの咲く海岸ではノゴマやシマセンニュウなどの夏鳥がさえずり、林ではシマエナガやハシブトガラなど北海道を代表する野鳥に出合えます。厳冬期には、繁殖地のオホーツク海沿岸などから訪れ、ここで冬を過ごすオオワシの姿を見ることができます。凍った湖面では、コマイやワカサギなどを取る伝統的な漁「氷下待ち網漁」が行われ、市場に出ない魚のおこぼれを狙って多くのワシ類が集まります。その数はオオワシ約700羽、オジロワシ約200羽にもなります。天候の良い日には、羽を広げると約2・4メートルにもなるオオワシが優雅に飛ぶ姿も観察できます。

 道内でも比較的積雪の少ないこの地域は、冬に多くのエゾシカが集まり、近年、植物への食害が発生しています。海岸を彩るハマナスはシカの採食によって背が低くなり、花や実がつかなくなっています。植生が単純になり、鳥の繁殖場所や餌となる昆虫などが減り、シマセンニュウやノゴマなど草原性の鳥が減少しています。本来の生態系を取り戻すため、エゾシカの積極的な個体数管理が必要となっています。(日本野鳥の会・山本裕)=次回は3月7日掲載

 ※国際的な基準で選定された「重要野鳥生息地(IBA)」を紹介します。国内に167カ所あります。

主に見られる鳥
タンチョウ

オオワシ

オジロワシ

オオハクチョウ

ノゴマ
https://mainichi.jp/articles/20180207/ddm/013/040/039000c

http://archive.is/u4WIj

posted by BNJ at 09:35 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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