2018年02月19日

野鳥観察を始めるならいま!『鳥のくらし図鑑』【朝日新聞デジタル&w2018年2月19日】

撮影/猪俣博史

『鳥のくらし図鑑 身近な野鳥の春夏秋冬』おおたぐろまり 絵・文 上田恵介 監修  偕成社 2160円(税込み)

 ここ2年くらい家の近所の公園や時には郊外で双眼鏡を手に野鳥観察をしています。きっかけはわが家の前のお宅の庭にある大きな松の木からなにやら「ギャーギャー」とけたたましい鳴き声が聞こえてきたこと。窓から見ると黒い頭で水色の羽根を持つ美しい2羽の鳥たちが大きな1羽のカラスに向かって挑むような鳴き声をあげていたのです。
 その後、美しい鳥の名前はオナガと知りました。オナガは巣を荒らされたのか、卵をカラスに食べられてしまったのか、2羽の切ない声にドラマを感じました。

人間と同じ? 「求愛給餌」

 今回ご紹介するおおたぐろまりさんの絵本図鑑は「庭や公園」「草原」「山や林」「川や沼、湖」「海」と5つの環境に分類されている、身近で見ることができる野鳥約40種が、おおたぐろさんのきれいなイラストで、それぞれの春夏秋冬の生活ぶりが驚くほどの細かさで描かれています。
 オスがメスに求愛するところから始まり、めでたくペアになり、メスが卵を産み、それが孵化(ふか)するまでのストーリーも、それぞれの鳥による微妙な違いを完璧なまでの描写で解説しています。
 鳥の巣に関しては鳥によって好みの素材や作る場所を事細かに説明しています。エサの取り方、子供への餌付けの方法など、ひとときもジッとしていない鳥たちの生活をよくぞここまで観察できたと感心しきりです。

 よく見ると自分の生活圏にも様々な種類の鳥がいることがわかりました。書店の駐車場には尾を上下に振りながら歩くハクセキレイ、自宅のツバキには白いアイリングのメジロや声の大きいヒヨドリ。近くの公園にはネクタイを締めているようなシジュウカラ、魚を狙ってダイブする宝石のような色のカワセミ。

 それぞれの鳥で好きな食べ物や巣作りの環境は違うけれど、結婚し、エサを探し、子育てをし、そして子どもは巣立っていく、それは共通したライフスタイル。人間とも重なるところがあります。一番面白いのが「求愛給餌(きゅうじ)」。オスの持ってくる食べものの大きさによってペアとなるかどうか選別する行動だそうです。ほら、こんなところも人間界で聞きそうな話ですね。
 鳥たちのくらしを想像する視点を手に入れると、例えば大雪や台風の時などに「今、あのメジロたちはどこでどんな風に雨風をしのいでいるのだろう」と、いつもの風景の見えないところに思いをはせてしまいます。

 寒さを日本でしのぐ冬鳥の多いこの時期は野鳥観察のスタートには絶好の季節です。美しく描かれ、野鳥の生態を網羅した絵本図鑑。こんな本は他には見当たりません。ぜひ皆さんも自分のお気に入りの鳥を見つけてみませんか。
http://www.asahi.com/and_w/articles/SDI2018021631311.html

http://archive.is/pNBvz

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posted by BNJ at 21:07 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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