2018年03月07日

野鳥とともに/12止 奄美群島(鹿児島県) 山海つながる固有種の楽園【毎日新聞2018年3月7日】

世界中で奄美大島の森だけにすむキツツキ・オーストンオオアカゲラ=鹿児島県・奄美大島で、フリーカメラマン・尾上和久さん撮影
 奄美群島(鹿児島県)は、鹿児島市の南約400キロにある奄美大島や徳之島、沖永良部島、喜界島、与論島など八つの有人島とその属島から構成されています。これらの島は、ユーラシア大陸の東部にあった陸地が地殻変動や海水面の変化によって、約170万年前に隔離され、島となりました。そのため、大陸では絶滅した生き物が残ったり、長い年月の間に進化したりしたことから、島固有で希少な生き物が数多く生息しています。

 一番大きな奄美大島(約710平方キロ)では、耳と四肢が短く原始的な特徴を持つアマミノクロウサギや、アマミハナサキガエルなど「奄美」の名がつく生き物が見られ、鳥類ではルリカケスやオーストンオオアカゲラなどがいます。これまでに290種を超える野鳥が観察され、春と秋の渡りの時期にはシギ類なども立ち寄ります。空路で訪ねると、上空から常緑のスダジイ林が広がる緑濃い山々とマングローブ林、入り組んだ海岸や美しいサンゴ礁を見ることができ、山から海への一連のつながりを実感できます。空港に降り立つと、亜熱帯性気候特有の温暖で湿潤な空気に包まれます。

 この奄美大島の自然の大きな脅威となっているのが、外来種の存在です。島には元々肉食性の哺乳類がいませんでした。その島に1979年、「毒蛇のハブを取る」として肉食の外来種・マングースが導入されました。しかし、その多くはハブだけではなく、島の脆弱(ぜいじゃく)な生き物を捕食し、希少種にも大打撃を与えました。現在、大がかりなマングースの根絶事業が進められていますが、一度入った外来種を駆除するには多大な労力や費用がかかります。また、差し迫った脅威として、ノネコの問題があります。もっぱら野外で餌を取るノネコが希少種を捕食しているのです。かけがえのない固有の生き物を将来に残すため、早急な対策が必要となっています。(日本野鳥の会・山本裕)=「野鳥とともに」は今回で終了します

 ※国際的な基準で選定された「重要野鳥生息地(IBA)」は、国内に167カ所あります。

主に見られる鳥
ルリカケス

アマミヤマシギ

オオトラツグミ

オーストンオオアカゲラ

リュウキュウツバメ
https://mainichi.jp/articles/20180307/ddm/013/040/038000c

http://archive.is/wWBhF

posted by BNJ at 11:08 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: