2018年03月11日

団栗 再び空を飛びたい鳥たち=渡辺政隆【毎日新聞2018年3月11日】

 ニュージーランドの国鳥キウイ。キウイフルーツのようにずんぐりした鳥で、空は飛べず、森の地面をうろついている。じつはこの鳥、ダチョウと同じ「走鳥類」というグループ。ダチョウは猛獣から走って逃げる必要があったが、天敵のいないニュージーランドでは、大きさや足の速さで身を守る必要がなかったようだ。

 ニュージーランドには、背の高さが3メートル近い走鳥類モアもいた。こちらはのびのびと大きくなった。今から6000万年ほど前、ニュージーランドがオーストラリア大陸と分かれたときに、オーストラリアにいた走鳥類エミューの仲間がニュージーランドに乗り込み、その後、キウイとモアに進化したと、かつては考えられていた。

 ところが遺伝子を比べたところ、キウイはモアやエミューよりも、マダガスカル島にいた巨大な絶滅鳥エピオルニスにずっと近かった。定説は再考を迫られた。キウイとエピオルニスの共通の祖先は空を飛ぶことができ、それぞれの島に飛んで渡った後、エピオルニスとキウイに進化した−−というのが現在のシナリオだ。

 さて、巨大なモアは、ニュージーランドに上陸した最初の地上の哺乳類「ヒト」によってあえなく絶滅した。キウイは危機を乗り切ったが、今ではヒトが持ち込んだノネコの脅威にさらされている。もしかしたら、また空を飛びたいと思っているかも。(筑波大学サイエンスコミュニケーター/教授)
https://mainichi.jp/articles/20180311/ddv/010/070/007000c

http://archive.is/uXL35

posted by BNJ at 10:13 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: