2018年03月11日

ひと・しずおか 鳥の巣の展覧会20年 鈴木まもるさん /静岡【毎日新聞2018年3月11日】

命を育てたい親の造形美 鈴木まもるさん(65)
 下田市と松崎町の境の婆娑羅山(ばさらやま)のふもとにあるログハウスのアトリエには、国内外を歩いて集めた鳥の巣300種1000個以上が、壁にしつらえた棚にずらりと並ぶ。

 おわん形、球体、筒形と形はいろいろで、小枝や葉、羊の毛など材料もさまざまだが、「すべて親鳥がこれから産む卵とひなの安全を守るため、誰にも教わらずに本能の力でつくったもの」だ。

 バブル景気が始まる1986年、東京都目黒区のアパートから、伊豆半島の山を崩した売り地に家を建てて転居。本業の画家・絵本作家の傍ら、家の周りに木を植えたり草を刈ったりの野良仕事をしていて、茂みで偶然、使い終わった古い鳥の巣を見つけたのが「鳥の巣研究家」になるきっかけだった。

 芸大で陶芸を専攻した物づくり好きの興味は、巣の造形的な美しさや可愛さに向かう。どうやってつくったのだろうと形の多様さに魅せられ、ひなが巣立った後の、もう使われない古巣を探し集めるようになった。

 ただ、何の鳥の巣なのか分からない。書店にある鳥の図鑑にも写真集にも巣の記載はなかった。「その子が生まれる一番大切なものを扱っていない」。独学の結果、「進化の過程で飛ぶことを選択したため体を軽くしなければならず、子宮のようなものを別の場所につくったのが鳥の巣」と考えている。

 月に2、3回、トランクに20個ほど巣を詰めて、全国各地で鳥の巣と絵の展覧会や講演会を行う。最初の展覧会を98年3月に東京・新宿のギャラリーで開いてちょうど20年。

 「僕は子供たちの心が育つために絵本を描く。小さい命を育てたい鳥の巣づくりも同じ。鳥が教えられなくても知っているように自分たちも力がある。どういう生き方をするか、自分で考えて見つけて」と説く。「現物の巣を見せるから強いです」と笑った。【梁川淑広】

 ■人物略歴

すずき・まもる
 1952年、東京都生まれ。東京芸大中退。80年に絵本「ぼくの大きな木」で絵本作家としてデビュー。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞。「ぼくの鳥の巣絵日記」で講談社出版文化賞絵本賞。下田市で妻の童話作家、竹下文子さんと2人暮らし。
https://mainichi.jp/articles/20180311/ddl/k22/070/078000c

http://archive.is/cT5Ou

posted by BNJ at 23:46 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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