ツバメチドリ
水浴びをするキビタキのオス(左)と見守るメス(中央)
オオルリのオス(左)とメス
ベニマシコ
キクイタダキ
キクイタダキ、キビタキ、ベニマシコ……。なにやら耳になじみのない響きだが、実はすべて、兵庫県明石市内で観察できる野鳥の名前。愛好家でつくる「金ケ崎公園野鳥写真クラブ」は15日、これらの貴重な野鳥を紹介する写真展を明石公園パークギャラリーで開く。ほんの一瞬の風景に、野鳥たちのドラマが見え隠れしている。
同クラブ代表の吉村利之さん(75)=同市魚住町清水=は「明石には明石公園、金ケ崎公園という自然豊かな公園に加え、海も畑もある。さまざまな鳥が集まりやすい街」と話す。
中でも金ケ崎公園を含む魚住町では、1年を通して約120種類の野鳥が観察できるという。
7回目となる今回の展示は28点。とりわけ珍しいのが、日本ではめったに見られないというツバメチドリ。東南アジアとロシアを行き来する渡り鳥で、旅の途中に日本で休憩することがまれにあるという。
昨年4月に金ケ崎上空を飛んでいる姿を、メンバーの男性(70)=同市藤が丘=がとらえた。
オオルリやベニマシコなど美しい鳥の写真が並ぶ。オオルリのオスは鮮やかな瑠璃色をしているが、メスは地味な茶色。つがいでいるところを狙い、男性が撮影した。
同じく男性が写したベニマシコは、漢字で「紅猿子」と書く。オスの顔がサルのように赤いことが名前の由来だという。
他にも、頭の模様がキクの花のように見える日本最小の野鳥キクイタダキや、羽をバタバタとさせるホバリングが得意で「オスプレイ」の英名を持つミサゴなど、市内で観察された個性豊かな鳥がそろう。島根や北海道、台湾に遠征して撮った写真もある。
男性はカメラ歴60年。野鳥が観察できる晴れた日はほぼ毎日、カメラを担いで外出する。
柔和な顔でこう話す。
「家族で水浴びをするキビタキの写真など、ほんの一瞬の風景にもストーリーがある。会場で声を掛けてくれたらお話ししますよ」
21日まで。午前9時半〜午後4時半(15日は午前10時から、21日は午後4時まで)。無料。(勝浦美香)
https://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/201803/0011068000.shtml
http://archive.is/5rewK