2018年04月19日

コブハクチョウ 鳥と共存、道探れ 農業被害防止へ移動調査 我孫子市鳥の博物館など「首輪見たら報告を」 /千葉【毎日新聞2018年4月19日】

 東海大、山階鳥類研究所、我孫子市鳥の博物館は、県北部の手賀沼に生息するコブハクチョウに位置情報を記録する機器や首輪などを付けて、移動の実態調査を始めた。コブハクチョウは国内での生態がほとんど知られていないが、手賀沼の周辺にも生息域を広げているとみられ、稲を食い荒らすなどの被害が報告されている。将来的には調査結果を農業被害の防止につなげて、鳥と人間の共存の道を探りたい考えだ。【橋本利昭】

 同博物館によると、コブハクチョウの生息域はヨーロッパからアジア地域に広く分布している。オオハクチョウやコハクチョウのような長距離の渡り鳥ではなく、日本には観賞用として持ち込まれ、飼育施設から逃げるなどして、全国に広がった外来種だ。

 手賀沼では1987年、2羽のつがいが初めて確認された。その後、徐々に増え、ここ数年は沼とその周辺に約70羽が生息する。個体数増加に伴い、周辺の水田では、植えたばかりの苗が踏み倒されたり、稲穂が食べられたりする農業被害が発生している。

 同博物館は「約10組のつがいが毎年2〜7個を産卵し、手賀沼の個体数は飽和状態にある」と推測。手賀沼とつながる利根川の中流や下流域で確認されているコブハクチョウは手賀沼や茨城県北部から移動し、分布域を広げた個体と見ている。

 このため、脈拍や呼吸といった生理学的なデータなどを取り込む高精度のデータロガー(記録装置)の開発に取り組む東海大、山階鳥類研究所の共同研究に参加し、個体数管理のための情報を得る目的で、手賀沼のコブハクチョウの移動調査を実施することにした。先月20日、沼北東岸で捕獲した1〜2歳とみられる3羽(雄2羽、雌1羽)に機器に加え、目視で確認できる緑色の首輪と足輪を取り付け、データ収集を開始。秋から冬には別の個体にも首輪と足輪のみを付けて調査し、データの精度を高めるという。

 データロガーは、円筒形(長さ15センチ、直径5・5センチ、重さ217グラム)のプラスチックケースに発信器類が内蔵されており、ベルトを胴体に回して背中に固定。受信機によるデータのダウンロードはこれからで、1回の操作で長期間の移動経路が入手できる。

 同博物館学芸員の小田谷嘉弥さん(28)は「日本のコブハクチョウは、どれくらい卵を産んで寿命はどれくらいかなどのデータもなく、野放しの状態。農業被害のほか、水草を大量に食べて生態系への影響も危惧される」と指摘。その上で、「人間が適切に管理するため、繁殖のペースや移動の傾向を知ることは大変重要で、今回の調査で個体管理に必要な基礎データが得られるものと期待している。沼の外で首輪の付いたコブハクチョウを見つけたら博物館に報告してほしい」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20180419/ddl/k12/040/019000c

http://archive.is/qtq73

posted by BNJ at 23:02 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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