2018年05月03日

小笠原 悠々と滑空、一羽のオガサワラノスリ 父島【毎日新聞2018年5月3日】

空港建設予定地の上空を飛ぶオガサワラノスリ=東京都小笠原村で2018年4月19日、宮武祐希撮影
1メートル超の翼 国の天然記念物、絶滅危惧1B類
 東京都心から南へ約1000キロの太平洋上に浮かぶ小笠原諸島・父島(東京都小笠原村)。島の中央部にある洲崎地区に、一羽のオガサワラノスリが現れた。1メートルを超えるであろう翼を広げ、うっそうとした緑の木々が突然途絶える旧日本海軍の滑走路跡地の上を悠々と滑空した。国の天然記念物で、環境省のレッドリストでは「絶滅の危険性が高い」とされる絶滅危惧1B類に指定されている希少な猛きん類だ。

 島が誕生した約4800万年前から、一度も陸続きになったことのない海洋島である小笠原諸島は、南北約400キロにわたって連なる大小30余りの島々で構成され、独自の生態系を作る。この生態系の頂点に君臨する鳥が飛ぶ洲崎地区は、空港の候補地に浮上している。

 現在、父島と本土を結ぶ交通手段は片道およそ24時間かかる定期船だけ。空港開設は「村民の悲願」(森下一男・小笠原村長)とされ、新たな足として期待がかかる。一方で、独自の生態系を育む島々は「東洋のガラパゴス」と称され、2011年には世界自然遺産に登録された。洲崎地区は世界的に貴重な動植物が生息する地域に隣接しており、空港開設の影響を懸念する声もある。【荒木涼子】
https://mainichi.jp/articles/20180504/k00/00m/040/059000c

小笠原諸島 空港建設は「潜在的脅威」 IUCNが懸念【毎日新聞2018年5月1日】
空港の建設が検討されている小笠原諸島父島の洲崎地区。手前中央が旧日本軍の滑走路跡。右上が村役場などがある島の中心部=東京都小笠原村で2018年1月26日、本社機「希望」から須賀川理撮影

 世界自然遺産・小笠原諸島に東京都と小笠原村が構想している空港建設計画について、世界自然遺産を審査する国際自然保護連合(IUCN)は毎日新聞の取材に対し「依然として潜在的な脅威」との見解を明らかにした。さらに「空港建設でより高まりかねない脆弱(ぜいじゃく)な自然や生き物たちのリスクを強く意識している」などと懸念も表明。専門家は「周辺環境が維持されていないと判断されれば、登録そのものに影響しかねない」と指摘している。
 IUCN世界遺産部(スイス)が、取材に対して文書で回答した。世界遺産の保全状況についてIUCNは、「良好」から「危機的」まで4段階で評価。3年ごとに見直しているが、小笠原の評価は「良好」の次の「懸念はあるが良好」だ。空港建設については「政府が支援する建設計画は保留中で、脅威は当面は低い」としつつも、「保全状況の評価は、動きがあればいつでも見直せる」とした。
 現在、空港の候補地とされている父島の洲崎地区は、世界遺産区域や国立公園には該当していない。しかし、建設のためには、空港予定地に隣接し自然公園法で景観保護などが求められている第2種特別地域を改変する必要がある。その点について、IUCNは「世界遺産区域の内外に関わらず、遺産の価値が維持されない開発は許されない。新たな変化に関し、世界遺産委員会に注意を促すこともある」と強調した。
 日本では一般的に、空港建設などの開発行為が決まった後に開発の事業主体が環境アセスメントを実施する。IUCNは「実施決定の前にアセスを実施すべきだ。その結果次第では、開発行為をやめる選択も検討すべきだ」とも指摘した。IUCNの見解に、小笠原の自然について調査・研究している筑波大の吉田正人教授(世界遺産学)は「IUCNは遺産としての価値の維持や事前の環境アセスを登録時から強く求めている。区域にこだわらない保全が必要だ。都や村は正確な情報を示し、建設については慎重で開かれた議論をしてほしい」と話している。【荒木涼子】
 【ことば】小笠原空港計画
 東京都が小笠原諸島・父島の西側に突き出た半島にある旧日本海軍飛行場跡地を建設候補地に選定。計画では、旧滑走路とその周辺をかさ上げした後、1200メートルの滑走路を建設。プロペラ機で、本土と2時間半で結ぶことを想定している。
https://mainichi.jp/articles/20180502/k00/00m/040/095000c?fm=mnm

http://archive.is/zocsd
http://archive.is/SWJKp

posted by BNJ at 22:57 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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