2018年05月22日

(eco活プラス)干潟は渡り鳥の季節 シギ、チドリ、カニ…生態系一望【朝日新聞デジタル2018年5月22日】

干潟の鳥にカメラを向ける人たち=千葉県習志野市の谷津干潟

 干潟に渡り鳥の姿が見られる季節。南半球などの越冬地から飛来し、たっぷりと栄養補給してシベリアへと旅立つ準備をする。どんな鳥たちがいるのだろうか。千葉県習志野市の谷津(やつ)干潟に向かった。

 東京駅から電車とバスで1時間ほど。干潮時刻を少し過ぎた午後3時に到着すると、約40ヘクタールの干潟の半分以ログイン前の続き上が陸地になっていた。干潟を見渡せる谷津干潟自然観察センターからは望遠鏡で野鳥などを観察できる。

 「あっ、います、います」

 望遠鏡をのぞき込んだ同センターの小山文子さん(54)が声を上げた。望遠鏡をのぞいてみると200メートルほど離れた干潟で、まだら模様の羽根のチドリ類ダイゼンが、ゴカイなどのエサを見つけてはついばんでいるのが見えた。反り返った長いくちばしが特徴的なオオソリハシシギが、泥にくちばしを突っ込んでエサを探している様子も観察できた。

 鳥たちの周辺では、体長1センチほどのコメツキガニも食事中。泥に含まれているエサを食べ、砂だけをはき出している。カニは鳥のエサになる。生命の循環が一望できる干潟は興味深いと感じた。

 同センターによると、谷津干潟では1年を通して約70種の水鳥が観察できる。春に飛来する約20種類のシギ・チドリ類は、6月までにほとんどが旅立つという。

 だが、干潟を巡る状況は厳しい。

 鳥類の分布や生態を調べるNPO法人「バードリサーチ」の守屋年史さん(45)によると、東京湾に飛来するシギ・チドリ類は1970年代に比べて、春は5分の1、秋は10分の1程度にまで減った。日本や朝鮮半島での大規模開発で干潟が減り、エサ場がなくなったことが大きな要因として考えられるという。

 人間が出すゴミも干潟の生態系を壊す一因になる。プラスチックなどは自然には分解されない。谷津干潟を歩いた時も、ポリ袋や漁網などが落ちているのを見つけた。こうした環境悪化を減らすにはどうすればいいだろう。

 小山さんは「環境に興味がない人にも、少しずつ接点をもってもらうのが大事」と話す。関心を持ってもらうために、同センターは多くの水鳥が見られる5〜6月、野鳥観察会のほか、干潟で育つ貝を使った料理教室や音楽会などを開いている。

 また、日本野鳥の会も全国の支部で、各地の干潟について観察会やシンポジウムを開催している。湿地の保存に関する国際条約「ラムサール条約」への登録も見据えている。野鳥の会自然保護室長の葉山政治さん(60)は「世界規模の条約に登録されれば、人々の自然保護の意識が変わる。個人の活動で環境を守るのは難しく、地域全体で考えてもらうのが重要」と指摘する。(浜田祥太郎)

 <eco活の鍵>

 干潟では遊歩道から鳥までの距離が離れているので、望遠鏡を持って行くのがおすすめだ。暑さ対策で帽子のほか飲み物を持参すると安心だ。

 日本野鳥の会の各支部が開く観察会などの情報は、同会のウェブサイト(https://www.wbsj.org/別ウインドウで開きます)で確認できる。

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 eco活(エコカツ)プラス
https://www.asahi.com/articles/DA3S13506232.html

http://archive.is/u4U2j

posted by BNJ at 22:59 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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