2018年06月04日

新緑に響く野鳥の声か【朝日新聞デジタル2018年6月4日】

巣を守るトビ=いずれも標茶町

釧路湿原・初夏の観察会、記者も堪能
 釧路湿原国立公園にある標茶町のシラルトロ湖周辺で2日、初夏の野鳥観察会があった。まぶしい新緑の下、繁殖期の鳥たちの姿を求め、双眼鏡やカメラを手に9人が参加した。記者も初めて同行した。

 塘路湖エコミュージアムセンターの主催。一行は午前10時、「憩いの家かや沼」駐車場を出発した。野鳥観察会の常連夫婦もいれば、「幸せな気持ちになれそうだから」と初参加の若い女性もいた。

 「チヨチヨ、ピー」と可愛らしい鳴き声が空から降ってくる。「センダイムシクイです。『焼酎一杯、ぐぃー』と聞こえるという人もいます」と、案内役、釧路市こども遊学館の角田真穂さんが笑わせてくれた。確かにそう聞こえるから不思議だ。「ヒツキーヒツキー」と鳴いているのはエゾムシクイだそうだ。

 「トビの巣がありますよ」と、エコミュージアムセンター指導員の中野雄介さんが、遊歩道からわずか20メートル程度先の樹木を指さした。全長60センチほどとみられる褐色のトビが巣から顔を出している。

 「ひなが巣にいると思います。片方の親が巣を守り、もう一方はエサをとりに出かけています」。角田さんが説明した。一行は歓声を上げ、カメラを向けた。角田さんがやんわりとたしなめた。「親鳥は危険を感じると、子を残したまま巣を放棄してしまいます。だからあまり騒ぎ立てないでください」

 ミズナラなど広葉樹が林立している。キツツキの仲間、アカゲラが幹を駆け上ってエサを探していた。黒い翼に白い模様が特徴だ。背中の灰青色が目立つのがゴジュウカラ。

「頭を下に、逆さまに幹を下りられるという特長は珍しいです」。角田さんの解説に一同、「ほー」。

 「蝶(ちょう)の森」に来た。カッコウやウグイスの合唱が聞こえる。だが姿は見えない。「オジロワシがいますよ」。角田さんが指さしたが、国の天然記念物は葉の陰に隠れたらしい。くちばしの下部が黄色いのはコサメビタキ。「くりっとした大きな目が可愛いね」とみんなで図鑑で確認した。

 「夏に比べればまだ葉が少ないので、野鳥は見つけやすいはずです」と中野さんは笑って励ました。道東一帯は日本有数の野鳥の宝庫である。だが、「いた!」と思うと、ハトやカラス、チョウでがっかりする。「宝探しみたい」。だれかが言った。それが楽しいのだ。

 約3キロの道のりを2時間かけて回った。タンチョウは残念ながら見つけられなかった。でも、鳴き声も含めて確認できた野鳥は21種類ほどにのぼった。

 鳥の姿と鳴き声、名前が一致すれば、人生が豊かになるような気がした。野鳥観察会に初めて参加した釧路市生まれ、育ちの宮本和子さん(54)は「これまで意識しなかった鳥の鳴き声にこれからは敏感になりそう」と満足そうに話した。

 (高田誠)
https://www.asahi.com/articles/CMTW1806040100009.html

http://archive.is/1Zmvq

posted by BNJ at 21:57 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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