2018年06月07日

ブラジルストで輸入チキン値上がり  自動車生産ストップ【日本経済新聞2018年6月7日】

 【サンパウロ=外山尚之】ブラジルで5月下旬から起きたトラック運転手の大規模ストライキは、世界経済に大きな傷痕を残した。物流網のまひで農産品などの輸出が打撃を受け、日本の鶏肉価格が上昇するなどの影響が出た。ストは収束に向かっているが、農畜産品を世界中に輸出する「世界の食料庫」の混乱の余波は大きく、ブラジルの2018年の経済成長率を0.3〜1ポイント押し下げるとの試算もある。

トラック運転手によるストの様子(21日、南部クリチバ)=ロイター

 最大の影響は畜産業界だ。軽油価格の上昇に怒った運転手によるストで飼料の供給が滞り、家畜が餓死したり食肉加工施設での食肉処理が停止したりした。ブラジル動物性タンパク質協会によると、ブラジルで飼育される鶏の7%にあたる7千万羽が殺処分になった。

 ブラジルの鶏肉生産量は米国に次ぎ世界2位。日本国内で流通する鶏肉の2〜3割が輸入品で、そのうち7割がブラジル産だ。外食や総菜の唐揚げに多く使われる。国内のブラジル産鶏肉の卸値(冷凍品)は1キロ300円前後と、1カ月で3%上昇した。「供給に対する不安感は強い」(食品加工メーカー)。鶏肉以外でも「原状復帰には少なくとも6カ月から1年間かかる」(ブラジル全国農業連盟)。

 工業への打撃も大きい。自動車生産が約1週間全面停止し、通年の生産台数の1.9%分にあたる約5万台の生産が滞った。トヨタ自動車はブラジル国内の全工場を1日まで停止。ホンダも30日まで工場の操業を止めた。

 鉱業もストップし、5月の鉄鉱石の輸出は前年実績を6%以上、下回った。化学製品や製鉄、薬品なども完全復旧には時間がかかりそうだ。建設業では「コンクリートなど材料の供給が止まり、建設現場が1週間にわたって止まった」(戸田建設)。

 ブラジル開発商工省によると、5月末時点で1日あたりの輸出量はスト前から4割弱減少した。米利上げペースの加速などでレアル安が続くなか、輸出に活路を見いだそうとした企業にとって打撃となった。政府は燃料費補助の代わりに輸出業者への税金の払い戻しを減らすとしており、中長期的にも輸出を押し下げる恐れがある。

 地元経済紙バロル・エコノミコは1日「(18年の)国内総生産(GDP)増加率は1.5%へ」と予測。ブラジル政府は5月、目標を2.5%増に下方修正したばかりだった。

 主要株価指数ボベスパは5月28日、スト発生前から9.3%下落して年初来安値を更新した。ストは解消しつつあるが、いまだに発生前の水準を5%超下回る。騒動の責任をとって最高経営責任者(CEO)が辞職した国営石油会社ペトロブラスの株価はスト発生前から約3割落ち込んだ。

 ブラジルが世界最大産地のコーヒーは様子見状態だ。コーヒー商社、イーコムジャパン(東京・中央)の阿部伸明社長は「(主要積み出し港の)サントス港に荷物が貯まり、物流は混乱が続いている」と語り、国際価格の指標となるニューヨーク先物相場の強材料に働くと指摘する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3150436007062018000000/

http://archive.is/RXCIN
物不足深刻、鶏100万羽が餓死 ブラジルで運転手スト【朝日新聞デジタル2018年5月30日】

タグ:ブラジル
posted by BNJ at 22:19 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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