2018年06月16日

(北陸六味)森田由樹子さん ライチョウ、いつまでも【朝日新聞デジタル2018年6月15日】

「エコロの森」の室堂のツアーでライチョウにカメラを向ける参加者ら=富山県立山町芦峅寺

 今年も、立山黒部アルペンルートが4月に開通してから早くも2カ月が過ぎた。この間、ガイドとしてツアーのお客様を案内するため、すでに15回、室堂に行っている。

 春は、タイ、インドネシア、マレーシアなど海外からのお客様でにぎわう室堂。そのほとんどの方は、高い雪の壁の間を歩く「雪の大谷ウォーク」がお目当てだが、室堂では他にもすてきなモノに出会うことができる。

 それは、特別天然記念物のライチョウ(ニホンライチョウ)だ。

 ライチョウは、氷河期のころ日本にやってきて、高山帯に居着いた鳥で、「氷河期の生き残り」といわれる。生息数は、2000年代に2千羽弱に減少したとされ、そのうち約300羽が立山周辺にいるそうだ。

 山々が一面の雪で覆われる冬には、真っ白の羽毛をしているが、雪が次第に解け、山の稜線(りょうせん)が黒いまだら模様になるにつれ、羽毛の色を変えていく。オスは黒褐色の「夏羽」になり、山の模様が保護色となる。一方、メスは黄褐色に変わっていく。季節の変化とともに、羽毛の色を変えていく様子は本当に不思議でならない。

 春はライチョウが縄張りを作る時期で、自分の縄張りで見張りをするオスの姿をよく見ることができる。岩などの上にすくっと立ち、周囲を注意深くうかがう姿はなかなか頼もしい。エサを食べたり、見張りをしたり、はたまたメスの姿を探したりと何かと忙しい様子もほほえましい。

 ライチョウは、人間が近くにいても全く気にする様子がないので、まるで作り物みたいに見えることがある。天敵から身を守るには人間が近くにいた方が安心だと知っているのだろうか。この季節はとりわけ、よく見ることができるので、散策していて急に出くわすこともあり、お客さんを喜ばせている。

 人との距離が近いライチョウだが、絶滅危惧種であるのは間違いない。富山市ファミリーパークなど全国の5施設で、ライチョウの人工繁殖や飼育に取り組んでいる。保全のためには、観察したり写真を撮ったりする私たちにもマナーが求められる。

 立山で出会うライチョウは、いつまでも見ていたいほど愛らしい。ずっと見ることができるよう、大切にしたいと思う。(エコロの森代表)
https://www.asahi.com/articles/ASL6F3PS6L6FPUZB001.html

http://archive.is/9OeCT

posted by BNJ at 11:07 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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