2018年06月21日

野呂邦暢 80年死去の芥川賞作家、自筆豪華本見つかる 長崎・諫早拠点に活動【毎日新聞2018年6月21日】(鳥たちの河口)

 長崎県諫早市を拠点に活動した芥川賞作家、野呂邦暢(くにのぶ)(1937〜80年)が70年代に出した豪華本の中に、手書きの原稿用紙をそのまま製本したものがあることが確認された。文章は、単行本からさらに推敲(すいこう)が重ねられており、野呂研究者の浅尾節子さん(70)=埼玉県在住=は「本づくりにこだわり、言葉を選び抜いた日本語の達人の姿がうかがえる」と話す。【足立旬子】

 豪華本は、単行本などが出版された後に特別な装丁で出版される。浅尾さんは、今月刊行された野呂の全集の書誌を作成するにあたり、図書館や個人が所蔵する豪華本を調べた。

 野呂は74〜78年、8作品の豪華本を限定で発行した。このうち、市立諫早図書館などに所蔵されている「十一月」▽「恋人」▽「ハンター」▽「鳥たちの河口」−−の4作品は、活字の印刷ではなく、万年筆の青いインクでつづられた原稿を製本していた。「恋人」は表紙は漆塗りの装丁で、中身は野呂の名前が入った特製原稿用紙22枚を使っていた。

 豪華本と単行本の文章を付き合わせたところ、平仮名から漢字などへ書き換えたり、読点の位置が変更されたりするなど、推敲の跡が随所に見られた。この4作品の豪華本は、それぞれ10〜17部作られており、すべて自筆の原稿が使われた可能性が高いという。

 自筆原稿を数多く取り扱っている古書店、森井書店(東京)によると、俳句や詩集、小説の一部に自筆原稿を使っているケースはあるが、小説の作品全体が自筆原稿になっているのは珍しいという。

 浅尾さんは「まさか本の中身が自筆とは思っていなかったので、とても驚いた。全ページにわたって手が入っていて、単行本に比べ、修飾表現を削りすっきりとした印象だ。ほかの自筆の豪華本についても、文章がどうなっているのか調べたい」と話している。

 ■ことば

野呂邦暢
 1937年、長崎市生まれ。長崎県立諫早高卒。上京してアルバイト生活を送った後、陸上自衛隊に入隊。74年、自衛隊での体験を基にした「草のつるぎ」で芥川賞を受賞。80年、心筋梗塞(こうそく)のため42歳で急死した。

https://mainichi.jp/articles/20180621/ddg/041/040/004000c

http://archive.is/YWeUU

posted by BNJ at 22:09 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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