2018年06月28日

水戸気象台観測 ヒバリ 沈黙10年 データ未収集 市街地、減少進む【茨城新聞クロスアイ2018年6月28日】

県の鳥として親しまれているヒバリ(ミュージアムパーク県自然博物館提供)
水戸地方気象台(水戸市金町)による2018年の生物季節観測で、ヒバリの鳴き声が観測できず、データを収集できない「欠測」状態が10年連続となったことが分かった。ヒバリは県の鳥に指定され、広報誌やマスコットなどに採用されるなど本県になじみの深い鳥。郊外では生息が広く確認されているものの、都市部で姿を見る機会は失われつつあり、春を告げるさえずりが市街地に響かない状況が続いている。


気象庁は1953年以降、季節の移り変わりを確認するため、全国の気象台で動物の「初鳴き」「初見」や植物の「開花」状況を調べる生物季節観測を実施している。水戸地方気象台では現在、ヒバリのほか、ウグイス、ホタル、ウメ、サクラなど動物17種、植物18種の観測が行われている。

観測のエリアは、気象台から半径5キロ圏内の範囲と定められている。ヒバリの観測は毎年、職員が敷地内で初めて鳴き声を確認した日を「初鳴き日」として記録してきたが、同気象台では2009年以降、一度も観測されない状態が続いている。

気象庁の生物季節観測指針によると、観測は「生物に及ぼす気象の影響を知り、その結果から季節の遅れや進みなど気象状況の推移を知る」ことを目的としている。このため、同気象台の担当者は「生物の個体数を判断するものではない」と説明する。

ただ、市街地ではヒバリの生息環境は失われつつある。日本野鳥の会によると、農業の衰退や土地の開発など都市化の進行に伴い、市街地を中心に餌の採取や営巣を行う草地が十分に確保できず、ヒバリの減少傾向が進んでいるという。環境省やNGOで構成する実行委員会が16年から5カ年計画で実施している「全国鳥類繁殖分布調査」でも、水戸駅や千波湖を中心とする市街地で、これまでにヒバリの生息は確認されていない。

ヒバリは国内外に広く分布し、春を告げる鳥として知られてきた。特に本県では、1965年の「県民の鳥」公募で最も多い票数を獲得し、同11月に県の鳥として指定されたほか、石岡市やつくばみらい市など、複数の自治体でも市の鳥に制定されている。県の広報誌の名称や県警のマスコットキャラクターなどにも採用され親しまれている。

ヒバリは乾燥した適度な荒れ地や麦畑などを営巣地として好み繁殖する。日本野鳥の会茨城県の池野進会長は「農地が宅地や事業所に転用されるとヒバリの生息は難しい」とし、「郊外でも少子高齢化で放棄地が草深くなれば、生息には適さない環境になる」と、今後も生息範囲が縮小する可能性を指摘した。

同気象台ではヒバリのほか、ホタルが04年以降、トノサマガエルが05年以降、それぞれ観測できない「欠測」状態が続いている。

(前島智仁)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15301104132908

http://archive.is/rhEab

posted by BNJ at 11:51 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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