2018年07月15日

(いま子どもたちは)私たちの「甲子園」:1 挑戦の夏、黒板や水田で【朝日新聞デジタル2018年7月15日】(アイガモ農法/アヒル農法)

富士宮東高校「Zoo」のメンバーが描いた「腹ペコ女子高生図」=日学提供

写真・図版
 (No.1458)

 昼時が近づくと、どうも授業に集中できず、黒板に書いてある時間割の文字さえも、どことなく食べ物に見える気がする……。

 ちょっと心あたりのあるそんな経験を、黒板をキャンバスにして描いた作品、その名も「腹ペコ女子高生図」。静岡県立富士宮東高校(静岡県富士宮市)美術部の2年生4人ログイン前の続きのチーム「Zoo」が制作した。今春開かれた「日学・黒板アート甲子園 2018大会」(日学主催)で、全国の中高生から集まった143作品の中から、優秀賞を受賞した作品だ。

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 先輩たちが黒板アートを制作していたことから、ふだんは個別に取り組む4人も「学校生活と絡め、黒板そのものをいかした作品をグループで作ってみたい」と考えた。芹沢葉奈さん(16)が食べ物を描いた別の黒板アートを見つけて提案。宇佐美寿々音さん(16)を中心にアイデアを練り、1週間ほどで構想がまとまった。

 今年の春休みは制作のため毎日学校へ行き、1日6、7時間は黒板に向かった。

 使うチョークは赤、白、黄など5色が基本。まず黒板全体に薄くチョークの粉をはたいて絵に影を出しやすくし、筆や消しゴムを使って食べ物の質感や陰影を表現した。時間割の欄には「お弁当」「オベントウ」と文字をちりばめた。

 リーダーの由井葉月さん(16)は「お弁当のことしか考えられない、という気持ちを表現した」と笑う。

 審査員から「文字量がすごく多く(中略)印象的です」と評価された部分を担当したのは、広松彩美さん(16)だ。作品は写真に撮って出品するため「遠くから見るとゆがんでいることもあって何度も何度も書き直した」と振り返った。

 新たに学んだこともある。日頃行うデッサンでは「影」をつけることを重視するが、宇佐美さんは「黒板アートは光を描くことが大切だとわかりました」。一人ではなく、グループで一つの作品を作り上げることのだいご味も知った。芹沢さんは「お互いに協力して、それぞれの得意なところをいかせたと思う」。

 チームの新たな作品は今夏、県内で開かれるインターハイの会場に展示されることになった。今はまた、黒板に向かう日々だ。そして、来春の「黒板アート甲子園」で狙うのは、もちろん最優秀賞。今度も発想力で勝負したいと思っている。

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 都心から電車で約1時間。神奈川県海老名市の県立中央農業高校では、黄色い毛をしたアヒルのひなたちが、青いかごの中で体を寄せ合って鳴いていた。

 「これから水田で頑張ってくれるひなです」。6月末、養鶏部長で3年の大木志帆さん(17)が教えてくれた。

 同高では、養鶏部が校内の水田で米作りをしている。部内に「中農アイガモプロジェクト」があり、農薬を使わない代わりに、雑草や害虫をアイガモやアヒルたちに食べてもらう。昨年度は、鳥の飼育や管理、解体を通じて学んだ食といのちについて、講座を月1回開き、地域の子を招いてきた。

 こうした経験を昨秋、山形県で開かれた第8回全国農業高校お米甲子園プレゼンテーション部門で発表。応募した11校の中から優秀賞に選ばれた。「未来を担う子どもたちへ食といのちを伝える活動は大いに評価できる」と評された。

 今年はアヒルだけでやってみる。10アールの田に22羽。育てる米は県奨励品種「はるみ」だ。

 6月末、ひなは、まだ200グラムほどだった。この重さでは、カラスにさらわれてしまう。生徒たちは水田の上に銀色の防鳥テープを格子状に張ってそなえた。大木さんは「今年、カラスは建物にも入ってくるし、我が物顔。注意しないと」。

 出穂する8月頭までにはアヒルを水田から引き揚げ、秋には解体する。3年の横尾七星さん(17)は「屠畜(とちく)したくない気持ちはある。おいしく残さず食べることが大事だと思っている」と言う。アヒルは肉厚で、臭みはアイガモに比べれば少ない。先日、校内施設で薫製してジャーキーにしたところ、「おいしくできた」と横尾さん。どんな商品がいいか、これから本腰を入れて考えるという。

 第1回からお米甲子園に出場する同高は、味を競う部門で金賞を受賞したこともある。「プレゼンはもちろん、味を競う方でも勝負したい」と大木さんと横尾さん。「米どころじゃない神奈川でも、おいしいお米ができると知ってほしい。アヒルと私たちで、おいしいお米を作ってみせます」

 (円山史、山下知子、張守男)

 ■「本家」の野球以外に50以上

 「本家」である全国高校野球選手権大会以外にも、「甲子園」大会は全国に「ドラマ甲子園」や「フラガールズ甲子園」「数学甲子園」「科学の甲子園」など50以上あるとされる。

 中でも、1992年からと長く続いているのが「まんが甲子園」だ。高知の漫画文化をPRしようと88年、前身のフェスティバルが始まり、その後、高校生中心の大会にしようとの声が上がった。開催時期が夏でもあるため、「まんが甲子園」と名付けたという。毎年約300校から応募があり、これまでに延べ8600校以上が参加した。

 高知県まんが王国土佐推進課によると、始めた当時は他にもいくつかの「○○甲子園」があって参考にしたが、その後、さらに各地に広まったという。佐藤まゆみ課長は「親しみやすい名称で、高校生の全国大会とイメージしやすい。街おこしや世代間や地域の交流の場にも役立っている」と話す。「甲子園」の運営や広報の仕方などについて、各地の実行委員会などから、取り組み事例などの問い合わせがあるという。

 ◇この夏、阪神甲子園球場で100回大会を迎える高校野球。でも、「甲子園」は野球だけにあらず。様々な「甲子園」で奮闘する子どもたちを紹介します。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13587125.html

http://archive.is/0SS9m

posted by BNJ at 11:29 | Comment(0) | 養鶏畜産ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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