2018年07月28日

石川)木場潟再生プロジェクト、土田準さんに聞く【朝日新聞デジタル2018年7月28日】

土田準さん=2018年7月、石川県小松市木場町

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、英国など6カ国の海外のカヌー代表チームが事前合宿を予定する石川県小松市の木場潟。水質悪化が問題となったが、今年6月には環境省レッドデータブックの準絶滅危惧種に指定されるニホンイシガメが確認された。水草による水質改善に取り組む「木場潟再生プロジェクト」のリーダー、土田準さん(67)に聞いた。

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 ――「木場潟再生プロジェクト」について教えてください

 小松市の呼びかけで、2004年10月にボランティア団体として発足しました。それ以来、木場潟の水質浄化と生態系の保全を目的に、水草の育成・再生や地元の小学生らを対象とした環境学習支援を中心に約50人で活動しています。

 ――水草を活用するのはなぜですか

 水質汚染の主な原因は植物プランクトンの増加と水の滞留なので、長いスパンで水の好循環を生む必要があります。水草の一種のヨシ原は、葉に栄養を送るために水を吸います。木場潟の水を吸わせて5メートルほど成長する10月ごろに、地元の高校生とプロジェクトのメンバーらでヨシを刈ります。そしてまた新しく生えて水を吸うので、ここに循環が生まれる。アサザなどの水草も植えて堤防を設置し、その保全も行います。

 ――環境学習の支援とは

 水質改善には長い年月がかかりますから、次世代にバトンを渡していく必要があります。地元の小学生と保護者を対象に刈ったヨシでの笛づくりや水質調査を体験してもらっています。昔と比べると、木場潟は子どもたちだけでなくその親世代にもなじみがない。まずは知ってもらうことからですね。

 ――湖沼の水質調査で全国ワースト2位になったこともありました

 数値が大きいほど水質が悪いことを示す化学的酸素要求量(COD)が環境基準値を大きく上回り、約30年前にワースト2位になりました。数値は少し下がりましたが、今も基準値の倍以上あります。ただ、この数値に一喜一憂してもあまり意味はないと思います。

 ――数字だけではわからない、と

 はい。CODは季節や水位などで大きく数値が変わります。大型の機械で泥をくみ上げれば、一時的に数値を下げられます。小さな数値の差で全国の湖沼の順位をつけても実態はわかりません。木場潟でいま起きている自然現象を見るべきです。

 ――今年になってマシジミやニホンイシガメなどが相次いで見つかりました

 数字には出ない水質の改善で、生態系が戻ってきた証拠といえます。ヒシやアサザなどの水草にひきつけられ、カワセミやウチワヤンマがやって来ますし、オナガガモが羽を休めています。カメが排卵する環境もある。徐々に活動の効果が出てきています。

 ――2020年東京五輪・パラリンピックで、木場潟は海外のカヌーチームの事前合宿地になっています

 海外の選手たちを「おもてなし」するため、水をきれいにしなくてはと思います。木場潟は波がなく広いのでカヌーの練習に適した環境です。このチャンスをどう生かせるか。外国の人たちが立ち寄る場所も生み出す必要があります。うかうかしていられません。

 ――今後の展望は

 木場潟はかつて公園化の事業や生活排水の流入などで大きく水質が悪化し、水草も絶滅しました。高度経済成長期は誰も環境に興味を持たなかった。長い時間をかけて汚れたものは、長い時間をかけないときれいになりません。最終的には人が泳げるくらいの水質を目指して活動を続けていきます。(聞き手・木佐貫将司)

     ◇

 つちだ・ひとし 1950年、石川県小松市生まれ。名古屋市立大経済学部卒業。アパレル関係の会社を退職後の99年、行政書士に登録。2004年に小松市の呼びかけに応じてボランティア団体「木場潟再生プロジェクト」を立ち上げ、リーダーとして活動している。
https://www.asahi.com/articles/ASL7941THL79PJLB004.html

http://archive.is/ibC2s

posted by BNJ at 23:27 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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