2018年08月09日

進化する水族館のカラクリ【読売テレビ2018年8月8日】(イワトビペンギン)

 お客さん「めっちゃ癒されるじゃないですか!ずーっと見てられる感じが!」
私たちの心をつかんで離さない、その場所は水族館=I優雅に泳ぐ生き物たちに見とれてしまう!と、そこにある疑問が…。
お客さん「アジとかイワシとか大量にどうやって生きたまま連れてこられたのかな?って思いました」
確かに、何百匹もの魚の群れを一体どうやって運ぶのか?

 その疑問を調査するため向かったのは神戸の『須磨海浜水族園』。
飼育員「マイワシですね。いまから2万匹を大水槽に搬入します」
三重県から、専用のトラックで2万匹のイワシが運ばれてきた。サメやエイが泳ぐ大きな水槽に入れて煌めきながら泳ぐ姿を見てもらおう!という。イワシは『魚』へんに『弱い』と書く通り、とにかく弱い魚=I元気な状態で移すにはテクニック≠ェ必要。

『テクニック1 水合わせ』
飼育員「今オレンジ色のホースで入れているのはこれから入れる大水槽のお水です。大水槽のお水を運んできた水槽にいれることで水温とか水質とかだんだん一緒になっていくという作業をしています」
運ばれてきたトラックの水とこれから移す大水槽の水は温度や塩分が違うため、そのまま移すとイワシに負担がかかってしまう。そのためこの水合わせの作業は重要。

『テクニック2 移動』
トラックから大水槽に移す前にいったん専用のプールに移す。しかし、ここで問題が…。
飼育員「体の表面の鱗が非常にはがれやすい魚なんです」
イワシは、敵に襲われた時、水中にウロコをまいてかく乱するため、ウロコが剥がれやすくなっている。ウロコがはがれると体が弱ってしまう。
飼育員「イワシがぎちぎちになると中でイワシ同士がぶつかるとウロコがはがれはじめますのでお水を多めに魚を少なめにいれています」
体を傷つけないようイワシをバケツで移す際は少しずつ。この作業を何百回と繰り返す。なんとも骨が折れる。

『テクニック3 餌やり』
こちらはイワシが入る前の大水槽。
飼育員「基本エイとかサメに先に餌をあげる。お腹いっぱいにすることで新しい魚への攻撃とか食べちゃうとかがなくなりますので」
大きな魚をお腹いっぱいにしたらいよいよイワシを搬入!!!煌めきながら2万匹の群れが泳ぐ。これで作業は完了。
お客さん「なんかいいっぱいいる!すごい」「群れで泳ぐ流れがきれいですよね!」
飼育員「今日2万匹魚が水槽の家族が増えたということになるのでホッとしたのもつかの間というかこの後、我々は世話の作業をしていく」
生き物の美しい姿の裏に飼育員のテクニックあり!

 日本には水族館の数、約100施設。なぜ、こんなにたくさんあるのか?全国で個性的な展示を企画するなど水族館再生の立役者≠ニ呼ばれる中村さんに話を聞くと…。
中村さん「海に囲まれているのが大きくて、魚を食べる習慣、しかも新鮮な魚を食べる習慣が高いので、魚を傷つけずに捕まえて運ぶということがすごく上手だということがある」
日本が水族館大国になったワケは、海に囲まれたその環境にあった!

 そんな数ある水族館の中で今話題を集めているのが愛知県にある『竹島水族館』!
大田FC「すごい 大人500円これは安い!」
入館料はたったの500円!大きな水族館では2000円を超えるところもある中でなんとも破格の値段。
大田FC「今日はよろしくお願いします。小さい水族館なんですね」
飼育員「日本でおそらく4番目位に小さい。延べ床でテニスコート2面分くらいしかない」
大田FC「テニスコート2面ですか!?」

 62年前にオープンしたこちらの小さな水族館。珍しい深海生物など約500種類の生き物が展示されている。休日には1日およそ3千人訪れるほど大人気!だが…。
飼育員「昔は平日は誰もいない。寝転がっていても怒らないなんて言う」
10年ほど前にはお客さんが来ない∞お金もない≠ナ閉館の危機に。

 そんな崖っぷちからV字回復を果たした裏には驚きのアイデア≠ニ節約の精神≠ェあった。
大田FC「この水槽凝ってますね!光がサーチライトのように」
こちら、光を使った水槽の演出。裏に回ってみると…。
大田FC「なるほどね!首ふりの扇風機、これでライトを動かしている」
飼育員「深海を探査するサーチライトの雰囲気を出したくて首振るものは扇風機くらいしか。業者に発注するとかなりお金がかかちゃうので」。
大田FC「そうですよね!」
さらに、岩場に押し寄せる波を再現しているのは…。
飼育員「単純な仕組みのししおどし」
大田FC「ししおどしか。きたきた!なるほど」
飼育員「漬物を入れるバケツを大量にもらったので!」
お金がなくてもアイデア次第でお客さんを楽しませる演出に!

 工夫はほかにも。
大田FC「手書きのものがたくさんありますよね魚歴書って」
飼育員「履歴書の魚版」
こちらはウツボの履歴書ならぬ魚歴書。
大田FC「水族館ではアジとイカをもらっているけど本当はタコが好き。ユニークに書いているけど、どこに住んでいるか何を食べているかがわかる」
例えばこちらの魚のあだ名は『イチゴのパンツ』!?中には調理方法が書かれた魚まで!節約から生まれた手書きの解説は、ゆるくて面白い≠ニお客さんの心を掴んでいる。
飼育員「日本一解説が読まれる水族館って呼ばれるようになった」。

 そして、クライマックスは、普段触ることのできない深海生物と触れ合うコーナー。
大田FC「さわっていいんですか?すごいなー」
珍しい体験ができる≠ニこの水族館の一番のウリに。
大田FC「水が冷たいですね」
飼育員「これも狙いの一つで深海深海って言っているけど、どのくらい冷たいか手を入れるとわかる」
ただ見るだけではなく五感を使って体験することで、生き物が住む環境を学んでもらおうという狙いがある。
大田FC「今後もこういうスタンス?」
飼育員「今後もお客さんと距離が近く楽しく学べるようにしたい」
弱点もアイデア次第で武器に!親近感ある工夫でお客さんをGET。

 それにしても、海の生き物は種類がたーくさん!子どもたちに人気の生き物をランキングで見てみると…、3位はディズニーの映画などで知られる『カクレクマノミ』!続いて2位は、可愛くて賢い『イルカ』!そして1位は…ペンギン。動物全体でみても犬、ネコに次ぐ人気!そんなペンギンに関する最先端の研究≠ェ関西で行われている!

大田FC「水族館には生き物を展示する以外にも大事な役割≠ェあるんです。海遊館に調査しにいきます」
水族館の大事な役割とは一体?
飼育員「水族館の役割として種の保存≠ェあります。こちらで暮らすイワトビペンギンの人工繁殖に取り組んでます。イワトビペンギンはどんどん数が減ってきていて国内で今後見ることができなくなってしまうかもしれません」。
目の上の黄色い羽が特徴的なイワトビペンギン。絶滅の危険がある「絶滅危惧種」に指定されている。

 そのため、海遊館では8年前から人工授精≠フ研究を開始!2年前には、世界で初めて人工繁殖に成功した。
飼育員「何もわからない状態からはじまりましてようやく色んなことを考えて取り組める状態になった」
本格的に進み始めたペンギンの人工授精=Bその研究を特別に見せてもらう。まずはオスから精子を採取する。そこに積み重ねてきた知恵≠ェ!。精子を採取する前に飼育員が何度も体の向きを調整している。
大田FC「体を調節してましたけどあの形がいいんですか?」
飼育員「ペンギンが自然に交尾するときそういった形で交尾しているのを模した状態/姿勢を保つことがいい精子を採取する上で必要」
これは、繁殖期間中のペンギンの行動を24時間監視し続けたことで得た成果。
大田FC「飼育員さんのひざの上でおとなしくしています。精液が出てきます。それを採取します」
採取した精液はすぐに顕微鏡で動いているかを確認。状態はどう?
ドクター「運動していない精子もあるんで、それほどいい精液ではない」
いい状態の精子が採取できた場合は液体窒素で冷凍保存する。メスには採血を行う。
飼育員「これまでのデータを使いまして生んだタイミングとか踏まえてある程度方式に当てはめて/産卵日を推定する」
計算して割り出した人工授精の日に保存しておいた精子をメスの体内に入れ、あとは産卵を待つ。

 命をつなぐこの研究、今後は?
飼育員「イワトビペンギンだけではなくほかの種でもそういった取り組みに応用できたらと思っている」
種の保存≠目指すスタッフの日々の努力が命をつなぐ=B見せるだけではない、生き物を守り育てる水族館。これからも、その進化は私たちを魅了してくれそうだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180808-00000078-ytv-soci
http://www.news24.jp/nnn/news88922672.html

http://archive.is/OSdnj
http://archive.is/qhxYE

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