2018年08月23日

ライチョウ繁殖、今年は断念…大町山岳博物館【読売新聞2018年8月23日】

今年の繁殖を目指したライチョウのつがい(7月、大町山岳博物館提供)

 大町市の大町山岳博物館は、同館で飼育している国の特別天然記念物ニホンライチョウの今年の人工繁殖を断念した。22日、鳥羽章人館長が同市教育委員会で明らかにした。6羽飼育する中でつがいを1組作ったが、卵を産まないまま繁殖期を過ぎてしまったという。

 同館によると、人工繁殖では、乗鞍岳で採卵し2016年に生まれた雄と、上野動物園(東京都)から卵を運んで同館で17年に生まれた雌でつがいを組んだ。

 6月1日以降、ほぼ毎日交尾行動が見られたが、卵は産まれず、8月11日を最後に交尾しなくなった。その後、産卵期の特徴的な行動も見られなくなったという。野生のライチョウの繁殖期は8月上旬までで、今年の繁殖は困難と判断した。

 鳥羽館長は「残念な結果になった。しっかり受け止め、環境省などと原因を分析して改善できるところは改善して来年以降に臨みたい」と話している。

 環境省の検討会は今年度、人工繁殖によって、全国のライチョウの飼育数を今年2月時点の26羽から50羽に増やす計画を立て、同館など全国4施設で各1組のつがいを作り繁殖を目指していた。しかし、同省信越自然環境事務所によると、上野動物園と富山市ファミリーパークでは成功したものの、同館と那須どうぶつ王国(栃木県)のつがいでは繁殖せず、全国のライチョウ飼育数は現時点で9羽増の35羽にとどまった。

 同事務所は「繁殖しなかったことは失敗ではなく、次につなげるための一つの結果ととらえている」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20180823-OYTNT50131.html

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